こんにちは。星空案内人の木原です。
年が変わり、星空の様子もまたひと巡りしました。今年もよろしく!と言っているかのように冬の星座たちが明るく元気に輝いています。今日は冬の星座を代表するオリオン座の足元から始まる、長い川の星座「エリダヌス座」のお話です。

オリオン座の足元で青白く輝くリゲルから始まって、南の地平線に向かって蛇行しながら伸びている星座がエリダヌス座です。川がモチーフとなっている珍しい星座で、漢字の「乙」のような形をしています。エリダヌス座の南端には一等星アケルナルが輝いています。アケルナルはアラビア語で「川の果て」という意味があり、日本からは鹿児島より南に行かないと見ることができない、エリダヌス座最南端の星です。

エリダヌスは実在する川ではなく、伝説の川と言われています。モデルとなった川はエジプトのナイル川やイタリアのポー川など諸説あるため明らかではないですが、古代の人にとって大事な川がモチーフになったのでしょう。
エリダヌス座には天で大騒ぎを起こした神話が伝わっています。太陽の神アポロンにフェアトンという息子がいました。アポロンは太陽を運ぶ馬車に乗って東の宙から朝日として走り出し、日中は天を駆け巡り、夕方には西の宙へ向かう毎日を過ごしていました。
その父の姿に憧れていたフェアトンは一度でいいから馬車に乗って天を駆け巡りたいと願っていました。アポロンの乗る馬車は扱いが難しく、正しく太陽の道を進めなければ大変危険です。フェアトンはそれも承知のうえで懇願し続け、息子の熱意に根負けしたアポロンは1度だけの約束で馬車を貸すことにしました。

フェアトンは喜んで馬車に乗り、鞭を一振りしたとたん馬車はすごい速さで駆け出し、天を巡っていきます。驚いたフェアトンは手綱を引きますが馬は言うことを聞かず、どうすることもできません。馬たちは好き勝手に走り始め、ついには太陽の道から外れてしまいました。太陽を載せているため馬車が通ったところには火がついていき、天のあちこちで火事が起こり大騒ぎになります。さらには地上の野や森まで火事となり広大な砂漠ができてしまいました。
アポロンの手にも負えない状況となり、この騒ぎを見た大神ゼウスが馬車に向かって稲妻を落とし、エリダヌス川へフェアトンごと馬車を落としました。一件落着したものの、フェアトンは命を落とし、エリダヌス川とともに天に昇っていったそうです。


木原美智子
星空案内人
広島県出身。瀬戸内の宙を見て育ちました。好きな季節は、コスモスが咲き、凜とした空気が漂う秋。宙を見上げるのが好きなので、星だけじゃなく宙にあるもの、宙に関わる文化に興味があります。ペンギンと野球も好き。
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