こんにちは。星空案内人の木原です。
明日は春分の日。春分の日は、太陽が春分点という宙にある点を通過した瞬間を含む日として天文学的に定められています。国民の祝日としての春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」という意味が込められています。

自然、と聞くと地上にある植物や海などを思い浮かべると思いますが、皆さんの頭の上に広がる宙も地球環境が生み出す素晴らしい自然のひとつです。宙では月や惑星、星々がまるで生きているかのように日々少しずつ姿や位置を変えています。時期によって見える星が異なる様子は地上の自然と同じですね。
今年の春は、明け方の宙でひときわ明るく綺麗に輝く星を見つけることができます。その星の正体は金星。明け方の宙に見える金星は別名「明けの明星」と呼ばれます。

金星は太陽系の惑星のひとつ。地球より太陽側のひとつお隣の星で、地球とサイズが近いことから地球の兄弟とも考えられています。地球からは金星が太陽の光で照らされている様子を観察することができます。
地球も金星も太陽の周りを公転しているので、この3つの天体の位置関係で地球から見た時の金星の明るさや形は変化していきます。天体望遠鏡を使えば金星の満ち欠けを見ることができ、お月様の満ち欠けと同じように姿を変えていきます。

地球から見て太陽側(内側)にある金星は、太陽から大きく離れた位置に現れることがないため、日の入り後の西の宙か日の入り前の東の宙にしか姿を見せません。時期によっては一回も姿を見せない夜もあります。年によって姿を見せるタイミングが異なるので、宙に見えている時はより一層その美しさに目を惹かれます。

きっと、その明るく目を惹く輝きに日本ならではの言葉として、日の出前に見える金星を「明けの明星」、日の入り後に見える金星を「宵の明星」が生まれたのでしょう。ちょうど今は日の出前の5時半頃から、朝焼けで紫色に染まる宙の中に明けの明星を見ることが出来ます。

夜を終えて、新しい朝を迎える時間帯にいっそう輝きを増して見える明けの明星。月を除けば、夜の終わりを告げる星として最後まで輝いている最後の星になるはずです。最後の星と言うとなんだか寂しいですが、新しい朝を最後まで見届けてくれる温かい光にも感じます。自然が生み出す奇跡の光景を明日はちょっと早起きして見てみませんか。明けの明星に出会えたらきっとその日はいい一日になるはずです。


木原美智子
星空案内人
広島県出身。瀬戸内の宙を見て育ちました。好きな季節は、コスモスが咲き、凜とした空気が漂う秋。宙を見上げるのが好きなので、星だけじゃなく宙にあるもの、宙に関わる文化に興味があります。ペンギンと野球も好き。
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