新生活

暦とならわし 2023.04.01

この記事を
シェアする
  • twitter
  • facebook
  • B!
  • LINE

こんにちは。巫女ライターの紺野うみです。

私たち日本人にとって、新年と同じように大切な節目と言えば、4月から始まる「新年度」なのではないでしょうか。
多くの人が「新生活」――まさしく「新しい形の生活」を始めるタイミングでもあります。

学校や会社などの活動環境が変わったり、引越しをして生活環境が変わったり、新しい場所に根を下ろすこともあるでしょう。
新しいクラス、新しい職場、新しいコミュニティー。
こういったきっかけには、人との関係もひとつの区切りを迎えることが多いものです。

春は「出会い」と「別れ」の季節とも言いますが、心に生まれるのは、新たな出会いに対する期待や喜びだけではないかもしれません。
慣れ親しんだ人と離れてしまう寂しさや、新しい環境でスタートする未来への不安なんかも、いっしょくたにギュッと詰まっているのが、なんとも複雑で甘酸っぱいような気持ちにさせられる不思議な季節ですよね。

「新生活」の折には、さまざまな「ご縁」の変化がつきもの。
私は神社で巫女としてご奉仕する際に、「縁結び」についてご参拝の方とお話しすることがあるのですが、「縁結び」の「縁」を恋愛にまつわるものだけだと考えられている方は少なくありません。
ですが、その言葉にはもっと、幅広い意味が含まれているんです。

たとえば「友人」や「恩師」、「上司」や「先輩」「後輩」との出会いも、すべてが自分にとって意味のある大切な「ご縁」です。
永く大切に使いたくなるような、ときめく「物」との出会いにだって、同じことが言えますね。
また、「新たな道を開いてくれる出来事」との出会いや、「自分を生かせる環境」との出会いなど、巡ってきた機会(チャンス)も「ご縁」のひとつの形なのではないでしょうか。

「ご縁」というのは不思議なことに、ひとつ手放すと新しいものが舞い込んでくるなど、複雑に絶えず動きがあるものです。
特に、環境の変化が生まれやすい「新生活」の折には、なおさらあなたを取り巻くご縁にも変化が現れることでしょう。
そんなときは、ぜひその変化を怖がりすぎず、一つひとつの「ご縁」の中からひときわ輝くものを見つけてみていただきたいのです。
数あるご縁の中でも、そのかけがえのない出会いがあなたの新生活を彩り、ひいては人生を豊かにしてくれるに違いありません。

人間にとって、「変化」に不安や恐れはつきものです。
慣れない環境では、一瞬一瞬が緊張の連続ということもあるでしょう。
でも、どんな場所で過ごす時間であっても、あなたが自分らしく輝くことができるご縁を見極めて、大切に育んでいってください。

この春から始まるあなたの「新生活」も良縁に恵まれ、明るく希望に満ちた毎日になりますように。

この記事をシェアする
  • twitter
  • facebook
  • B!
  • LINE

紺野うみ

巫女ライター・神職見習い
東京出身、東京在住。好きな季節は、春。生き物たちが元気に動き出す、希望の季節。好きなことは、ものを書くこと、神社めぐり、自然散策。専門分野は神社・神道・生き方・心・自己分析に関する執筆活動。平日はライター、休日は巫女として神社で奉職中。

  • instagram
  • facebook
  • note

紺野 うみ|オフィシャルサイト

関連する記事

カテゴリ