金木犀の香りが漂い始めました。毎年、姿ではなく香りで咲いたことを知ることになる、素晴らしい秋の瞬間。涼しさが少しずつひんやりとした冷たさに変わっていく季節です。柿の実はぐんぐん大きさを増し、あれよあれよという間に熟した栗や胡桃がポトポトと落ち始め、果樹の成長の早さに驚かされます。
山の庵を訪ねてくれた友人に、山道には栗の毬(いが)が多いから、もう少し月の出を待って、月の光を頼りにお帰りなさい、と詠んだ良寛和尚の歌です。秋の夜長を楽しむ様子が想像されます。

今では丈夫な運動靴があり、いが栗は靴で割って上手に踏み抜くと面白いように栗がとれますが、昔は簡素な草履ですから、もし間違えて踏んでしまえば、さぞ痛かったに違いありません。
自分で収穫した栗の味はまた格別。つやつや、ぷりぷりの栗を触ったり、眺めたり。栗拾いは大人になっても、結構、楽しいものです。よくもまあこんなに、と思うほどたくさんの実をつけ、人間たちだけでなく、多くの動物を養ってくれている気前のいい栗の木。

誰がかじったのでしょうか。ネズミでしょうか、リスでしょうか。少し収穫が遅れたものをみると、すかさず虫が入って黒ずんでいたりしますので、虫たちにも人気があるのがよくわかります。

森の中は栗だけでなく、大小さまざまなドングリが豪勢に降るように落ちていて、鳥や虫たちのご馳走になっています。よくみるとそこには早速、菌類も住みついて、せっせと土に還し始めていたりします。

しとしとと静かに降る秋雨は、菌類をどんどん育て、重なり合った落ち葉や腐葉土はあたたかく湿っています。キノコの季節でもあり、よくみると栗のいがにも小さな白いキノコが。

栗の木に生えるクリタケや、森に落ちた可愛いボタンのようなツチグリというキノコもあります。

ツチグリは「星形の湿度計」、「晴天の旅行者」とも呼ばれ、雨の日や湿度の高いときは開き、雨粒の衝撃で胞子を飛ばし、晴天のときは丸く閉じて、風に吹かれて移動していくユニークなキノコです。
かさね色の落栗色は表が濃蘇芳、裏が香色。茶色の毬よりも少し赤っぽく、つやつやした栗の感じがよく出ています。栗ごはんや、栗の渋皮煮の季節。みなさまはもう、今年の栗を召し上がられたでしょうか。

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