「日本の伝統色」をテーマにした文具・雑貨『にっぽんのいろ』が誕生しました。
日本の自然から生まれたやさしい色合いは、どんなシーンでも主張しすぎず、暮らしにしっくり馴染みます。
その商品づくりの裏側には、「日本らしさは好きだけど、“和”すぎるアイテムは持ちにくい!」という女子の本音があったのだとか。
商品づくりのこと、日ごろ使う文具のこと、企画担当の2人に聞きました。
2017.06.07
「日本の伝統色」をテーマにした文具・雑貨『にっぽんのいろ』が誕生しました。
日本の自然から生まれたやさしい色合いは、どんなシーンでも主張しすぎず、暮らしにしっくり馴染みます。
その商品づくりの裏側には、「日本らしさは好きだけど、“和”すぎるアイテムは持ちにくい!」という女子の本音があったのだとか。
商品づくりのこと、日ごろ使う文具のこと、企画担当の2人に聞きました。
2017.06.07
秋山 「今回、『日本の伝統色』をテーマに文具雑貨をつくることになって、あらためて日本の昔ながらの『色』の良さを見直しました。
日本の伝統色には、紅梅色、月白、若竹色など、ひとつひとつの色にとても趣のある名前がつけられています。」
にっぽんのいろ「紅梅色(こうばいいろ)」
— 暦生活 (@543life) 2017年2月3日
「春告草(はるつげくさ)」という別名を持つ梅。
昔から、梅は長く厳しい冬を乗り越えた証の花として愛されてきました。
明日は二十四節気「立春」。暦の上では春を迎えます(*^-^)#にっぽんのいろ #暦生活 pic.twitter.com/tB5sFv0vRx
日本の伝統色は、暦生活のTwitterやInstagramでも人気のコンテンツ。
古杉 「どの色も自然の中にある色だけに、やさしい気持ちになれる色ばかりで、きっと私たち日本人の誰もがほっと落ち着く色なんじゃないかと思います。
そんな色合いを暮らしの中に取り入れられたら、きっとステキなんじゃないかという思いで企画がスタートしました。」
秋山 「自分たちが心から『使いたい!』と思える文具を考えてみたとき、あまりに“和”すぎるものには抵抗がありました。日本の昔ながらのものには憧れるけど、純和風のものを選んで使うかというと、そうでもなくて…」
古杉 「そうそう、インテリアでいうと、無印良品やIKEAのものだったり。日頃使ってる文具や小物も、和風より洋風や北欧風のものがほとんどなんですよね。」
古杉の愛用品。お気に入りのA5ノートは、スペインの「ユニパペル」のもの。
秋山 「私もこだわりのあるものやひと味違うものを持ちたいと思ったりするのですが、結局いつも買ってしまうのは素直に『かわいい!』と思うもので、そういうものに和のものは少なかったりします。」
秋山の愛用品。集めているポストカードにもあまり「和」のものはありませんでした。
古杉 「いつものいろいろなアイテムと一緒に持ったとき、違和感なくしっくり馴染んで、その上で、どこかに日本らしさを感じられるものがあれば、私なら絶対にほしいと思います!」
秋山 「そこで、日本の伝統的な色合いを取り入れながらも、北欧のような親しみやすいデザインを目指すことにしました。」
古杉 「文具って意外と大人になってからもよく使うと思うのですが、いかにも事務用品っぽすぎたり、あるいは可愛いすぎたりして、ちょうどいいものってなかなかないなと思ってました。」
秋山 「自分が文具を選ぶときのことを考えると、仕事で使うものでもやっぱりかわいいものを選ぶんですよね。でも仕事で使っても恥ずかしくないものって難しい...」
社内の女子スタッフたちに何度も意見を聞きながら、ちょうどいい「和」のデザインを模索していきました。
古杉 「デザイナーさんやイラストレーターさんと『和のテイストだけど、和すぎないデザイン』を相談しながら試作を重ねて完成したのが、次の4つの模様のデザインです。」
【こうばい】紅梅色は、その名のとおり、梅の花の色。平安時代には女性の衣装の色としてとても人気があった色です。
【ひまわり】江戸時代に日本にやってきた向日葵(ひまわり)をモチーフに。ちなみに向日葵のような鮮やかな黄色は、人工染料が登場するまでなかったそうです。
【おみなえし】秋風に揺れる姿が女性に例えられる女郎花(おみなえし)をイメージしました。女郎花色は、平安時代に誕生した透明感のある黄色です。
【ひわ】緑黄色の渡り鳥「鶸(ひわ)」の色は、鎌倉時代に生まれました。模様のなかの青色「白群」は、飛鳥時代に中国から伝来した色といわれています。
秋山 「この4つの模様を使って『にっぽんのいろ』文具・雑貨づくりを進めていきました。」
<後編へつづく>