7月のいろ #にっぽんのいろ

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日本の自然や文化から生まれた美しい伝統色。周りを見渡せば、いろいろな場所に日本の色を見つけることができます。このページでは、Twitterで毎日配信している「にっぽんのいろ」を、月ごとにまとめました。心落ち着く色や、元気が出る色、優しい色、自分に似合う色。ぜひお気に入りの「にっぽんのいろ」を見つけてみてください。

玉蜀黍色(とうもろこしいろ)
皮をむいたら顔をのぞかせるトウモロコシの実のような優しい黄色です。柔らかくもハリのある生き生きとした色は、江戸時代に大流行しましたが、今となっては当時の詳しい染色法は分かりません。

紅色(べにいろ)
紫を帯びた鮮やかな赤色がとても印象的です。シルクロードを渡って日本に持ち込まれた紅花の花弁から採った色です。奈良時代には化粧品として使われるようになり、今も口紅などに愛用されています。

薄浅葱(うすあさぎ)
明るく爽やかな淡い青緑色です。浅葱色をさらに浅くしたことで青みが際立ち、水色に近い印象になっています。しとやかに咲く紫陽花を思わせるような愛らしい色合いが、心を晴れやかにしてくれます。

嫩黄色(どんこうしょく)
明るい黄色が初々しさを感じさせます。「嫩」という漢字には若さや弱さ、美しさ、柔らかさなどの意味があります。熟す前のまだ黄色く若い梅や桃の実をイメージさせるような優しくフレッシュな色ですね。

印度藍(いんどあい)
名前の由来は、インド原産の天然藍から染め出されることから。とても歴史の古い染料で、江戸時代末期に日本に輸入されるようになりました。底知れぬ海の深さを思わせるような神秘的な藍色が人気です。

天壇青(てんだんせい)
天壇とは、中国の皇帝が冬至の日に天に祈りを捧げるための祭壇をいいます。その天壇に施された美しい瑠璃瓦をたたえ、名づけられました。人々の祈りに満ちた霊妙な色は、青空に溶け込んでいくようです。

褐色(かちいろ)
深くて渋い藍色です。藍染をする際に、布をつついたり叩いたりすることを「かつ」と言いますが、その読みが「勝つ」に通じることから、その名が定着しました。縁起を担ぐ武士の鎧兜の糸の色にもよく使われていました。

小鹿色(こじかいろ)
ほんわかと優しく淡い茶色が、愛らしい鹿の子どもの体毛を思わせます。『万葉集』にも詠まれたように、鹿は古くから日本人に親しみのある動物でした。色鉛筆の色名にも取り入れられるなど子どもたちにも人気の色ですね。

裏柳(うらやなぎ)
柳の葉の裏側のような淡く雅な黄緑色で、江戸時代に流行しました。表ではなく、あえて葉の裏の色に注目しているのが日本人らしいですね。そよそよと風に揺れる柳の葉のように、見ていると何だか涼しくなってきます。

利休色(りきゅういろ)
抹茶のような、ややくすみを帯びた黄緑色が、渋く大人びた雰囲気を醸し出しています。その名は安土桃山時代の茶人・千利休に由来します。利休が追求した「禅の精神」を体現するような色で心が引き締まりますね。

金碧珠(きんぺきしゅ)
中国に由来する瑠璃色の一種で、青の中に金を隠し持っています。青緑色の海から金色の太陽が昇る様子を一色で表現した荘厳さが圧巻です。二色が引き立て合うことで目の覚めるような鮮やかさが生まれました。

珊瑚色(さんごいろ)
赤珊瑚を砕いた顔料から作られます。珊瑚は、仏教においては七宝の一つに数えられ、江戸時代にはかんざしや櫛などの装飾として愛用されました。赤珊瑚そのものよりも、ほんのり優しく、奥ゆかしさを感じます。

相思鼠(そうしねず)
鼠色に輝く小さな相思鳥が名前の由来です。相思鳥は中国などに生息していた鳥で、日本には1972年の日中国交正常化以降、本格的にやってきました。その背中はほんのり紫がかった美しい鼠色をしています。

玉虫色(たまむしいろ)
玉虫の羽のような濃い緑色です。玉虫の色については、紫を主体とする説もあり、確かな色は定まっていないようです。織物の世界では、縦糸に深い緑、横糸に紫を使えばこの色に近づくと言われているそうです。

萱草色(かんぞういろ)
萱草の花びらのような橙色です。咲いて一日で萎む萱草の儚さが「凶色」とのイメージを与え、平安時代には喪に服す際の着物の色に使われました。その一方で「憂いを忘れる」という良い意味も持っています。

紅鬱金(べにうこん)
名前の由来は、鬱金で黄色に染めた後、紅花や蘇芳(すおう)で赤みを乗せることから。顔料の配合によって色合いに幅があります。17世紀の文人・井原西鶴の『好色一代男』にこの色の着物が登場しています。

杏色(あんずいろ)
杏の実が熟したような、少しくすんだ橙色です。中国原産の杏ですが、昔から日本では「唐桃(からもも)」という名で親しまれてきました。眺めていると、甘酸っぱい爽やかな味が口の中に広がるようです。

活色(かついろ)
鮮やかな緑を帯びたエネルギッシュな青色です。力強い海の波を思わせるような活気のみなぎる色彩は、漁船が掲げる大漁旗にも使われてきました。見ているだけで元気が出てくる、夏にぴったりの色ですね。

笹色(ささいろ)
赤から生まれたメタリックな濃い緑色が魅惑的です。紅花から作られた濃い口紅の「本紅」
は、乾くと美しい緑色に変化します。その変化した色が笹の色を連想させることから笹色と呼ばれるようになりました。

青漆(せいしつ)
名前に「青」とつきますが、ほとんど青みは含まず黄色を滲ませたような深い緑色です。石黄(せきおう)と呼ばれる鉱物から生み出された黄漆に、藍草から取り出した藍蠟(あいろう)などを加えて作られた個性的な色です。

島松鼠(しままつねず)
島の海辺で荒々しい波風にじっと耐える松の葉の色がモチーフになっています。黄味がかかった渋い緑色は厳しい環境にさらされ、黄味がかっていく松の葉の様子を表しているようで、人々の感傷を誘います。

砧青磁(きぬたせいじ)
透明感のある淡い青色です。中国で古くから作られている青磁を思わせるような青白く高貴な色が、心を鎮めてくれます。光の当たり方によって変化する繊細な色合いは、どれだけ眺めていても飽きません。

白藍色(しろきあいいろ)
白に溶け込むような淡い水色にほんのりと黄みが差しています。さまざまな色合いがある藍染の中でも薄めの藍色で、ほのかな黄みは黄檗(きはだ)に由来します。キラキラと輝く白浜の浅瀬が恋しくなりますね。

貴族鼠(きぞくねず)
灰色がかった紫が落ち着いた雰囲気を醸し出しています。色名に使われた「貴族」という言葉に高貴の象徴である紫への憧れが垣間見られます。静かながらも荘厳で雅な風格に思わず圧倒されてしまいます。

鋼色(はがねいろ)
まるで夜空を思わせるような暗くて渋い青色が印象的です。有島武郎や石川啄木など文豪たちの文学作品でも、夜空を描写する色として使われています。宇宙の果てしなさや底知れぬパワーを感じさせてくれます。

濃浅葱(こいあさぎ)
黒みがかった濃い青緑色です。薄い葱(ねぎ)の葉の青緑色を一層濃くしたものに黒みが加わっています。濃い青と緑が絶妙のバランスで混ぜ合わさり、まるで山奥にたたずむ池のような奥深い色がミステリアスです。

水色(みずいろ)
澄んだ淡い藍色です。水は無色透明ですが、晴れ渡る空の色や風に揺れる葉の色を反射した色合いが淡い藍色に見えたため、名付けられました。冷たい川や湖を連想させるこの色を見ているだけで涼しくなってきますね。

藍色(あいいろ)
暖簾や和小物などにも用いられる人気の色です。ほのかに緑がかった深い青色で日本の代表的な伝統色とされてきました。藍だけでなく、少量の黄檗(きはだ)を加えて染め上げることで少し緑がかった色に仕上げています。

松葉色(まつばいろ)
松の葉に由来する深い青緑色で、松の葉色と呼ばれることも。古来、松は枯れずに何百年も生き続けることなどから、神の宿る木として神聖視されてきました。日本人に馴染み深い色で、心を落ち着かせてくれます。

中黄(ちゅうき)
鮮やかで明るい黄色よりもほんのり淡い色です。少し赤みが差して優しい感じが漂います。中国では、黄色は皇帝の衣の色とされてきましたが、平安時代の日本では庶民の色として人々に広く親しまれました。

東京白茶(とうきょうしらちゃ)
薄い茶色である「白茶」にほんのり黄みが乗った色です。京都から東京に都が移った明治時代、名前に「東京」を冠することが流行りました。まさに時の色、新時代が幕を開け心躍る人々の気持ちがうかがえます。

いかがでしたか?7月のにっぽんのいろは、青空の季節を感じさせる色がたくさん。お気に入りの色を見つけられたら、「#にっぽんのいろ」の#タグをつけて、TwitterやInstagramなどで教えていただけたら嬉しいです。

にっぽんのいろが、本になりました!『365日にっぽんのいろ図鑑』

季節に合わせた日本の伝統色を1日1色365色、名前の由来や色にまつわる物語を写真とともに紹介します。

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暦生活編集部

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