かわいいお干菓子の世界

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お干菓子ってどんなもの?

和菓子というと、どんなものを想像しますか?
梅の形をした練り切り?お豆がごろごろっと入った大福?
そんな柔らかな生菓子はもちろん美味しいですが、小さく可愛いお干菓子もとってもおすすめです。

ただ生菓子に比べると、日常的に食べる機会が少ないという人も多いのではないでしょうか。
今回はそんなお干菓子について、ご紹介していきたいと思います。

お干菓子と対になるのは言わずと知れた「生菓子」です。
大福やお餅、練り切りなどの、水分量が多めのものが生菓子にあたります。お干菓子は逆に水分量の少ない「乾いたお菓子」のこと。必然的に硬いものが多くなるので、「カリッ」「パキッ」という食感のものが多くなります。
生菓子と干菓子の中間のものを「半生菓子」といい、同じ和菓子でも水分量によって分類が変わることもあります。

和菓子を分類する方法としては、水分量以外にも作り方や形、用途など様々です。
例えば、羊羹は生菓子ですが、水分を少なめに作ったものは半生菓子に。作り方でいうと型に流し込んで作るので「流しもの」。細長い形をしているものは「棹物(さおもの)」ともいわれます。
和菓子は一言で表すのが難しいというのがよくわかります。

お干菓子にも種類はたくさん!

押しもの/打ちもの

砂糖にもち米や粉を混ぜ合わせ固めたお干菓子のことを「押しもの、打ちもの」といいます。押しものは木型に材料を入れて押し固めたもので、打ちものは固めて打ち出したもの、とされています。
花鳥風月、季節のモチーフを表現したものが多く、とても繊細な美しい見た目で楽しませてくれます。お茶席などでは薄茶と一緒にいただく定番のお菓子です。

成形をするのに欠かせないのが木型です。写真のものは、今回和菓子ばこのセットに含まれる「おたふく」の押し物で使用したもの。細部まできれいに彫られていて、木型そのものもずっと眺めていられそうです。
実は現在、この菓子木型を制作している職人さんは全国でも数人しかいないのだそう。よりいっそう、素敵な和菓子が食べられることを感謝していただきたくなりますね。

有平糖(あるへいとう)

こちらは有平糖という砂糖を煮て作る飴菓子です。
スペインやポルトガルから伝わった南蛮菓子で、名前はポルトガル菓子の「アルフェロア」に由来するともいわれています。
普段口にするキャンディーとは違って、歯に当たるとほろっと崩れる食感が楽しいお菓子です。

金平糖(こんぺいとう)

こちらも有平糖とおなじく南蛮菓子。戦国時代にポルトガルの宣教師によって伝えられ、織田信長もお気に入りだったとか。
核となるケシやゴマに少しずつ少しずつ蜜をかけて成形していくため、1種類作るのに2週間ほどかかることも!
手間と長い時間をかけてじっくり大きくしていくことから、結婚や出産などの贈り物にも用いられています。

すはま

すはまとは、きなこを蜜で溶かし固めたもの。しゃりっという独特な歯触りと柔らかな食感を楽しめるお菓子です。
本来は砂浜や入り江の景色を表現した州浜(すはま)形に作られていたことからこの名前が付きました。州浜形以外にも、わらびや豆の形をしたものなども。
すはまの分類は、干菓子と言われることも半生菓子と言われることもあります。

琥珀糖(こはくとう)

宝石のようなきれいな見た目、軽やかな食感のお菓子です。
琥珀とは、何千万年もかけて樹木の樹脂が化石となった透明感のある美しい結晶のこと。
琥珀糖はほかにも「氷室(ひむろ)」「割り氷」などいろいろな呼び方があり、すはま同様、半生菓子に分類されることもあります。

外側はカリッとしているのに、内側はゼリー状に柔らかいというギャップが楽しめます。
和菓子ばこの琥珀糖は冬の植物「梅、水仙、椿の葉」を表現しており、カリッとした食感に仕上がるよう2日間かけてじっくりと乾燥させています。

ついつい手が伸びてしまう、美味しく食感も楽しいお干菓子たち。
美味しいお茶と一緒にいただくのもよし、お仕事中にちょこっとつまむのもよし。

今回ご紹介したのは、お干菓子の中でもほんの一部です。
ぜひお気に入りのお干菓子を見つけてみてくださいね。

今回ご紹介したお干菓子(おたふく、有平糖、すはま、琥珀糖)は、「和菓子ばこ 冬のおふくわけ」のセット内でお召し上がりいただけます。

ぜひ、ご賞味ください。

和菓子ばこ 冬のおふくわけ

冬をテーマに、節分や新年にぴったりな和菓子のセットをお作りしました。 「鬼やらい」「節分祭」「椿餅」「丑年」「お月くじ」「琥珀」の6種類。

和菓子を作ってくださったのは、前回に引き続き京都祇園の老舗和菓子屋「かぎ甚」さん。 創業100年という歴史あるお店です。

2,580円(税抜・送料別)

和菓子ばこ -冬のおふくわけ-

懐紙のある暮らし

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暦生活編集部

日本の季節を楽しむ暮らし「暦生活」。暮らしのなかにある、季節の行事や旬のものを学びながら、毎日お届けしています。日常の季節感を切り取る #暦生活写真部 での投稿も募集中。暦生活の輪を少しずつ広げていきたいと思います。

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