啓蟄けいちつ

二十四節気と七十二候 2020.03.05

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こんにちは。暦生活編集部です。
今日は、二十四節気の「啓蟄(けいちつ)」についてのお話です。

ここ数日、ようやく寒さも落ちついて、春らしくなってきました。
朝日をあびた草花を見ると、みんな気持ちよさそうです。
「写真撮りたいな」と毎回思うのですが、そんな日にかぎってカメラはいつも家でお留守番。

「日に日に春になっていく」
そんな季節ですが、1年を24の季節にわけた二十四節気では、「啓蟄(けいちつ)」という季節になります。なんだか見慣れない漢字ですね…。
啓蟄は、寒い冬のあいだ、土の中で過ごしていたいろいろな虫たちが、穴を啓(ひら)いて地上へ出てくるころ。「蟄(ちつ)」は、虫などが土の中にかくれているという意味です。虫やカエルなどの生き物たちが目覚めはじめ、少しずつにぎやかになっていきます。

この頃、春の雷がひときわ大きくなることから、昔の人は「雷の音におどろいて虫たちが出てくる」と思い、春雷を「虫出しの雷」と名付けたそうです。ひと鳴り、ふた鳴りで鳴り止む短い雷ですが、ネーミングセンスにユーモアがあって面白いですね。

週末にスーパーで買い物をしていると、菜の花やスナップえんどう、わらびなど春の食材が並び、ながめているだけで春を感じることができます。鮮魚コーナーには、サワラやメバル、サヨリなど春の魚がたくさん。サワラは漢字で「鰆」と書き、名前のとおり春を代表する魚です。さっぱりしたさわやかな味のサワラはコレステロール値を下げ、動脈硬化やがんなどの予防に効果があります。一般的に魚は頭の方がおいしいといわれていますが、サワラは尻尾に近い方がおいしいそうです。今晩の食卓にさわらの西京焼きなんていいですね…。

1年ぶりに感じるぽかぽかした春の陽気に誘われ、生き物たちが出てきてにぎやかになり、私も気持ちが少し軽やかになります。

頬にあたる風も、去年と同じようで、どこかちがう春の風。別れも多いけれど、出会いだってちゃんとある。未来に希望を感じながら、一日一日を大切に過ごしていきたいと、そう感じる「啓蟄」の頃でした。

※二十四節気(にじゅうしせっき)は、日本の1年を24等分し、立春からはじまり大寒で締めくくられる、約15日ごとに移ろう細やかな季節です。

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暦生活編集部

日本の季節を楽しむ暮らし「暦生活」。暮らしのなかにある、季節の行事や旬のものを学びながら、毎日お届けしています。日常の季節感を切り取る #暦生活写真部 での投稿も募集中。暦生活の輪を少しずつ広げていきたいと思います。

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