こんにちは。暦生活編集部です。
今日は七十二候の「桜始開(さくらはじめてひらく)」についてのお話です。
寒い日とあたたかい日が交互にやってくるこのごろ。落ち着かない世の中の動きも相まって、なんだか心が疲れてしまいますが、各地では桜の開花宣言が聞こえてきました。
七十二候もまためぐり、今日から「桜始開(さくらはじめてひらく)」を迎えます。
読んで字のごとく、桜の花が咲くころ。私たちが愛してやまない桜が、春の景色をやさしいピンク色に染めていきます。
桜はちゃんと、毎年咲いてくれる。変わらずにそこにある季節に、ほっと一息つけるような気がします。
平安時代から、花といえば桜、花見といえば桜を鑑賞することをいいます。
日本人にとって、桜は古くから特別で大切な花だったのです。
私たちが見ている桜の8割が染井吉野(そめいよしの)という交配種ですが、染井吉野はもともと日本に自生していた江戸彼岸(えどひがん)と大島桜(おおしまざくら)の交配から江戸時代に生まれました。
花見の桜として多くの人に愛されている染井吉野ですが、かつて花見の桜といえば山桜を鑑賞することでした。有名な奈良の「吉野の桜」が山桜。花と葉の芽がほとんど同時に開き、少しずつ開花する様子に趣がある桜です。ほんのりと山が色づく様子を、昔の人は楽しみました。
今のお花見といえば、桜の木の下で家族や友人とお弁当やお酒を楽しむ宴のことをいいますが、昔は田の神様に豊作を祈願する意味合いがありました。桜の咲く様子から、秋の収穫を占ったりもしたそうです。桜の開花に祈りや願いを込めていたんですね。
桜の語源については諸説ありますが、「さ」が「田の神様」を、「くら」は神様の居場所「御座」を意味しており、田の神様が宿り咲かせる花ということから名前がついたのだそうです。
桜の花言葉は「優雅な女性」、「精神の美」。
まさに桜のイメージにぴったりな花言葉ですね。
花言葉を思い浮かべながら桜を見ると、また奥深い表情を感じられます。
桜が咲く時期は卒業や入学、就職や転職など、なにかと環境が変化して、心が疲れるとき。
そんな時は無理をしないで、綺麗な桜を見上げてみてください。何千年もの昔から、私たちの心を癒してきてくれた桜。疲れた心も、きっとやさしく包んでくれると思います。
※七十二候(しちじゅうにこう)は、日本の1年を72等分し、季節それぞれのできごとをそのまま名前にした、約5日ごとに移ろう細やかな季節です。
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