こんにちは。和暦研究家の高月美樹です。
今日は七十二侯の「牡丹華(ぼたんはなさく)」についてのお話です。
今年も牡丹が咲き始めました。牡丹の旬は十日余り。花は今がいつなのかをはっきりと教えてくれます。牡丹の花が咲いたら、春は終わりです。牡丹はいわば春のおおとり。いちばんわかりやすい目安になります。

牡丹の別名は花王です。花の王様。一体、誰のためにこんな豪華な花を咲かせているのか、と思うほどゴージャスであでやか。しかも品格があります。
牡丹の花は密教の宇宙観をあらわした胎蔵界曼荼羅の周囲にも描かれ、もっとも格の高い柄として最上級の装飾に用いられてきましたが、やがて牡丹そのものが仏の言葉をあらわすシンボルとなりました。

わが家のリビングに飾っているアンティークのお皿です。今は亡き親友の形見として、大切に壁にかけて楽しんでいます。牡丹と鳥、牡丹と蝶の組み合わせは江戸時代からよく描かれています。春の終わりの穏やかで美しい季節を象徴するこの組み合わせ。卯月の別名は鳥来月、新緑と鳥たちの季節です。
ところで牡丹といえば、唐獅子牡丹がよく知られています。唐獅子牡丹は「百花の王」と「百獣の王」の組み合わせで、最強の守護と富貴を象徴する魔除けとして用いられてきました。桃山時代に中国から伝来し、江戸後期には「勇気」の象徴として流行したそうです。
獅子は牡丹を好むとされ、大好きな花に寄り添う獅子がひょうきんな顔をしているものが多く、楽しい気持ちになります。心優しく強い。そんな獅子のイメージが広まったのでしょう。

謡曲『石橋』では左右に牡丹が置かれた舞台に、文殊菩薩にお仕えする獅子が登場し、国土安寧を願って勇壮に舞います。この『石橋』が歌舞伎にとりいれたのが、親子共演でよく話題となる『連獅子』です。
牡丹は平和と安寧の象徴。清らかに和する季節に咲く大輪の花。清らかで強いものは、本当に眺めるだけでエネルギーをもらえます。
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