夏至げし

二十四節気と七十二候 2020.06.21

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こんにちは。暦生活編集部です。
今日は二十四節気の「夏至(げし)」についてのお話です。

梅雨らしい、蒸し暑い日がつづきますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
しとしとと雨の日が多く、太陽はなかなか顔を出しませんが、そのぶん見事な五月晴れの日はよけいに嬉しくなりますね。

二十四節気は今日から「夏至(げし)」を迎えます。二十四節気にあまり馴染みがなくても、「夏至」という言葉は聞いたことがあるかもしれません。夏至は、一年でもっとも日が長く、夜が短いころとされています。暦の上では「立夏」から夏になるので、夏ももう半分終わってしまったことになりますが、実際はこれから日に日に暑さが増し、夏の盛りへ近づきます。

夏は、なんだか懐かしい気持ちになったり、どこかへ出かけなくちゃ、と少し焦ったり、いろいろな気持ちが混じってそわそわしてきますが、そのそわそわも「夏が来た」という感じで、けっこう好きだったりします。

夏至には、「乃東枯(なつかれくさかるる)」「菖蒲華(あやめはなさく)」「半夏生(はんげしょうず)」の3つの短い季節(七十二候)があります。
それぞれ、靫草(うつぼぐさ)が枯れ、菖蒲が咲き、半夏(からすびしゃく)が生える頃。

「半夏生(はんげしょうず)」は農事の節目である「雑節」のひとつでもあり、昔はこの日までに田植えを終えて、休みをとるのがならわしでした。半夏は、からすびしゃくという薬草のことで、「半夏生」は半夏(からすびしゃく)が生えはじめる頃という意味です。

カラスビシャク(サトイモ科)

ハンゲショウという名前のドクダミ科の植物もあって、ちょうどこのころに花を咲かせます。葉の半分が白くなり、まるで化粧をしているように見えることが、名前の由来とされています。

ハンゲショウ(ドクダミ科)

半夏生に、おもに関西ではタコを食べるならわしがあり、タコの足のように「稲が八方に根を張り増えていきますように」という豊作の願いが込められています。タコは栄養価が高く、タウリンが多く含まれ、疲労回復、肝臓の強化に効果的。夏の暑さに負けないように、旬の恵みをいただきたいですね。

もうしばらく蒸し暑い日が続きますが、稲はすくすくと育ち、雨を喜ぶようにカエルが合唱しています。この雨が過ぎ去ると、いよいよ夏本番!今年の夏はいつもと少し様子の違う夏になるかもしれませんが、元気に迎えて、夏ならではの楽しみを満喫したいですね。

※二十四節気(にじゅうしせっき)は、日本の1年を24等分し、立春からはじまり大寒で締めくくられる、約15日ごとに移ろう細やかな季節です。

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暦生活編集部

日本の季節を楽しむ暮らし「暦生活」。暮らしのなかにある、季節の行事や旬のものを学びながら、毎日お届けしています。日常の季節感を切り取る #暦生活写真部 での投稿も募集中。暦生活の輪を少しずつ広げていきたいと思います。

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