こんにちは。暦生活編集部です。
今日は七十二候の「霎時施(こさめときどきふる)」についてのお話です。
さあっと雨が降ったかと思えば、すぐにやみ、青空が顔をのぞかせる。
秋から冬にかけて降るこのような雨を時雨(しぐれ)といい、この時期の空模様のひとつです。七十二候「霎時施(こさめときどきふる)」は、そんな時雨の降る季節に名前をつけたもの。素直な印象で、とても好きな七十二候です。
秋に降る雨に秋雨(あきさめ)がありますが、こちらは「秋の長雨」と呼ばれるように、9月から10月にかけて降る長雨のこと。しとしとと秋雨が降るのに対し、時雨はぱらぱらと雫が落ちてくるような雨で、すぐに止みます。
ひと雨ごとに寒さが増してくるこの季節、その年の秋にはじめて降る初時雨(はつしぐれ)は、山の生き物や私たちに「そろそろ冬がやってくるよ」と、冬支度をする時期を教えてくれます。「霎時施」は毎年10月28日〜11月1日頃に訪れる季節ですが、いつもこの時期になると、今年も残りわずかだと実感することになります。
時雨は、俳句では冬の季語として扱われます。
時雨が降る時間によって「朝時雨、夕時雨、小夜時雨(さよしぐれ)」、ひとところに降る時雨を「片時雨」、北から降る「北時雨」など、時雨にはその時々の様子をあらわすさまざまな言葉があります。
その他にも、夏にセミがいっせいに鳴く様子を時雨に見立てた「蝉時雨」、秋の虫がいっせいに鳴きだす「虫時雨」。露が降り、まるで時雨に濡れたようになることを「露時雨」といいます。
そういえば、生姜を入れた佃煮を「時雨煮(しぐれに)」といいますが、こちらの語源も「いろいろな風味が口の中を通り過ぎる様子を時雨に見立てた」や「短時間で仕上がる調理法がすぐに止む時雨と似ている」など、いずれも時雨が語源だそうです。
この他にも、「時雨」を含む言葉はたくさんあります。
調べれば調べるほど、これらの言葉をつくった昔の人は時雨のことが好きだったのかな、と思いました。そういう私も、時雨が好きです。晩秋の景色に静かに降り注ぐ雨粒は、どこか厳かで美しいもの。雨が止んだ後の爽やかな青空も、新しい季節への希望を感じさせてくれます。
※七十二候(しちじゅうにこう)は、日本の1年を72等分し、季節それぞれのできごとをそのまま名前にした、約5日ごとに移ろう細やかな季節です。
暦生活編集部
日本の季節を楽しむ暮らし「暦生活」。暮らしのなかにある、季節の行事や旬のものを学びながら、毎日お届けしています。日常の季節感を切り取る #暦生活写真部 での投稿も募集中。暦生活の輪を少しずつ広げていきたいと思います。
暦生活のお店
-
【2024年4月始まり】にっぽんのいろ日めくり(おまけつき)
3,300円(税300円) -
お花見の箸置きセット / 桜・団子・たい焼き
1,650円(税150円) -
オールドグラス 桜
1,980円(税180円) -
オールドグラス 波千鳥
1,870円(税170円) -
京玄米茶 上ル入ル【さくら茶】
1,101円(税82円) -
米麹のリップバーム -さくらの香り-
1,650円(税150円) -
米麹のボディクリーム -フローラルの香り-
2,750円(税250円) -
サクラらしくSAKURA ミルキーバスパウダー
385円(税35円) -
発酵ナチュラルハンドクリーム -さくらの香り-
1,870円(税170円) -
米麹の美肌入浴剤 -さくらの香り-
350円(税32円) -
注染手ぬぐい「tenugui bouquet ミモザ」
1,980円(税180円) -
注染手ぬぐい「丸窓の風景 春さくら」 / にじゆら
1,320円(税120円) -
注染手ぬぐい「ふくらうぐいす」 / かまわぬ
1,430円(税130円) -
注染手ぬぐい「カルガモ親子」 / かまわぬ
1,430円(税130円) -
注染手ぬぐい「じゃれ猫」 / かまわぬ
1,430円(税130円)