こんにちは。暦生活編集部です。
今日は七十二候の「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」についてのお話です。
二十四節気は立冬から小雪になり、また少し冬が深まりました。
季節が進むのははやいなあといつも思うのですが、二十四節気や七十二候のことを知ってからは、以前よりもよりも、季節の移り変わりを敏感に感じられるようになりました。それは些細な変化かもしれませんが、季節を感じながら過ごす日々を、とても好きになりました。
「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」は、小雪の初候。小雪とともに、最初に訪れる七十二候です。昼が短くなり、日差しも弱く曇り空が多くなるので、虹を見ることが少なくなります。
薄鈍色の冬の空を見上げながら「最近、虹を見なくなったなあ。」と感じる心を季節の名前にした、素直で分かりやすい七十二候です。
春の二十四節気「清明(せいめい)」の頃にも、「虹始見(にじはじめてあらわる)」という七十二候がありましたが、こちらは春の深まりとともに空気が潤い、雨上がりに綺麗な虹が見られるようになる頃。「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」とは、対になる七十二候です。
七十二候には、このように対になっているものがいくつかあります。まるで、兄弟のよう。昔の人は、もしかしたらどこか楽しみながら、七十二候をつくったんじゃないかな。そんなふうに思わせてくれます。
「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」は、毎年11月22日から26日頃に訪れる短い季節で、この頃の空の様子を分かりやすくあらわしています。俳句には「冬の虹」という季語がありますが、この頃はたとえ虹を見ることができたとしてもすぐに消えてしまうことから、この言葉には儚さと、かすかな希望が込められています。
虹は、いくつになっても見えたらとてもうれしくなります。
でも、見えない虹を思って見上げる曇り空も、私はけっこう好きだったりします。
※七十二候(しちじゅうにこう)は、日本の1年を72等分し、季節それぞれのできごとをそのまま名前にした、約5日ごとに移ろう細やかな季節です。
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