こんにちは。暦生活編集部です。
今日は七十二候の「閉塞成冬」(そらさむくふゆとなる)についてのお話です。
七十二候は、1年を72の季節に分けた約5日程度の短い季節の名前です。
その時々の季節の風物をあらわした言葉で、「東風解凍」(はるかぜこおりをとく)「竹笋生」(たけのこしょうず)「鶺鴒鳴」(せきれいなく)などの天気や植物、生き物の様子がわかりやすく伝わってくる名前がついています。
わかりやすいものが好きなわたしは好感を持ってしまいますが、字に書くとどれもいいなあ、綺麗だなあ。と思えるものばかりで、昔の人はなんて美しい暦を残したんだろうと思います。
昨日は二十四節気の大雪(たいせつ)が訪れましたが、ともにはじまったのは「閉塞成冬」(そらさむくふゆとなる)という七十二候。
「閉塞」は、閉じ塞(ふさ)がること。空を塞ぐように雲が広がり、生き物たちもじっとしている。そんな冬日の様子をあらわす季節の言葉です。
雲が重く垂れ込めた空に気持ちまで塞がってしまいそうですが、この「塞」という字には「砦(とりで)」という意味もあり、雲が寒さから人々を守ってくれているという解釈もできるようです。そう思うと、重く暗い雲も、少し好感を持って見ることができそうな気がしてきました。
日本の伝統色に「薄墨色」(うすずみいろ)という美しい色がありますが、「閉塞成冬」(そらさむくふゆとなる)は、まさにこの色のイメージです。これから少しずつ冬景色になっていくなか、薄墨色の冬景色は少し寂しい印象も受けますが、1年を振り返るのにちょうどいい、心落ち着く優しい色です。
冬の曇りの日は「冬っぽくて、これもなんかいい。」と思える自分であれたらいいなあと思います。
※七十二候(しちじゅうにこう)は、日本の1年を72等分し、季節それぞれのできごとをそのまま名前にした、約5日ごとに移ろう細やかな季節です。
七十二候のカレンダーをつくりました
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