こんにちは。暦生活編集部です。
今日は七十二候の「欵冬華」(ふきのはなさく)についてのお話です。
昨日から二十四節気は「大寒」になり、1年でいちばん寒い季節になりました。
大寒の初候は欵冬華(ふきのはなさく)といいます。これはなんだか、想像しやすい七十二候ですね。厳しい寒さの中、雪に覆われている地面からフキの花がぽつりぽつりと顔を出す頃。
春の訪れが近いことを感じさせてくれる、嬉しい季節です。
花とそれを支える茎の部分は「フキノトウ」と呼ばれ、日本原産の山菜として古くから愛されてきました。独特のほろ苦さと歯ごたえ、香りが好まれてきたのですね。私も、刻んだフキを味噌と和えた蕗味噌が好きで、毎年楽しみにしています。ほかほかの白ご飯と一緒にいただくと、なんとも幸せな気持ちに。スーパーなどで買うことができるのは、ほとんどが栽培されたもの。フキは貴重な山菜として、8世紀頃には栽培がはじめられていたそうです。
フキノトウは、まだ苞が開かないうちに手で採ります。花が咲く期間は3〜5月頃で、花が終わると、花茎とは別に地下茎から葉柄(ようへい)が伸び出し、その先に大葉をつけます。葉は円の一部が切れたようなハート形をしており、雨水を効率よく受け取るためにくぼみ、葉の切れ目から茎を伝って根元に届けるようになっているのだそう。葉柄は食用になり、冬の野菜不足を補うための大切な山菜でした。
毎年、欵冬華(ふきのはなさく)になるといよいよ春の訪れを感じます。目で見るだけではなく、天ぷらや蕗味噌などにしていただいて、春のよろこびをいち早く身体に取り入れるのもいいですね。
フキノトウのほろ苦さが、心と身体をすっきりと目覚めさせてくれますように。
※七十二候(しちじゅうにこう)は、日本の1年を72等分し、季節それぞれのできごとをそのまま名前にした、約5日ごとに移ろう細やかな季節です。
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