立秋の初候は「涼風至(すずかぜいたる)」です。猛暑の続くある朝、ふと涼しさを感じたときが、秋の訪れです。
『古今和歌集』に収められた藤原敏行の歌です。詞書(ことばがき)には「秋立つ日詠める」とあり、立秋の日の歌として知られています。春は「竹の秋」、秋は「竹の春」とされ、成長して青々とした竹の葉がさわさわと揺れる音はなんとも涼やか。打ち寄せる波の音のようにも感じられ、その風の強さにはたしかに秋を感じます。

立秋は小さな秋の誕生であると同時に、夏のピークでもあります。立春は寒さのピーク、立夏は晩春まで尾を引いた寒さが消えて完全な陽気がみちるとき、そして立冬は木々が光合成をとめて休止に入る、紅葉のピークです。盛りを過ぎた季節はゆっくりと老いてゆき、次の季節の成長とともに少しずつ入れ替わっていきます。
とくに夏のピークである立秋は暑さがきつく感じられますし、温暖化の影響で8月から9月にかけて35度以上の猛暑日や熱帯夜が圧倒的に増え、台風や豪雨も増えていますので、十分に警戒が必要です。
日中の暑さはますます増していきますが、朝や夕方にふと涼しさを感じる瞬間があり、秋の気配が少しずつ漂い始めます。少しもの悲しいような、名残り惜しいような。今年もまた、無事にすぎてゆく、という安堵とともに、どこか勢いをなくしていく夏が愛おしく感じられる頃でもあります。
今、うちの田んぼの畦で咲いているのはこんな花たちです。







日本でもっとも美しいといわれている赤とんぼです。
夏の茶色からすっかり色が変わりました。

少し秋を感じていただけたでしょうか。立秋をすぎるとお店に並ぶ果物も変わってきて、秋を感じます。みずみずしい梨や桃、ぶどう、いちじくなどの果物は秋果(しゅうか)と呼ばれ、いずれも秋の季語です。

そしてもうひとつ、秋の始まりがはっきりとわかるのは夕方の虫の音です。立秋を過ぎたあたりから、昼間の蝉の声と入れ替わるように草むらや植え込みの中から、ちらほらと虫の声が聞こえ始めます。気づく瞬間は人それぞれですが、この朝夕の涼しさと虫の音をめやすに、秋の始まりを感じてみてください。
文責・高月美樹
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