残暑対策にひんやり手拭い
8月も半ばを過ぎて、二十四節気は「処暑」を迎えました。夏の暑さがおさまるという意味です。初秋の涼しさを実感したいところですが、昨今では残暑があまりに厳しくて、それは少し難しいものがあります。
さすがに夏の疲れも出てきたころ。体力も消耗している今、ここは残暑からしっかり体を守りたいものです。
そこで、今回はひんやり手拭いをつくってみます。手拭いに四本の縫い目をつけて、保冷剤を入れるポケットをつくるというもの。これを首に巻いたとたんに、首がひんやり。やがて体全体の火照りもおさまってきます。
夏の真っ盛りは外に出て作業するのもはばかられましたが、そろそろ外の作業もちょっとしたくなるころです。そんなときにはぜひこのひんやり手拭いを首に巻いてはいかがでしょう。
用意するのは、ガーゼ手拭いと、糸と針、それに小さな保冷剤を三つです。保冷剤は、ケーキ屋さんなどでつけてくれる「1時間用」のサイズがちょうどいい感じ。タオルでも手拭いでもいいのですが、いろいろ試した結果、ちょうど頃合いのいいのがガーゼ手拭いでした。
タオルだとちょっと厚ぼったすぎて、保冷剤のひんやり感があまり伝わってきません。かといってふつうの手拭いだと冷たさ直撃で、これもまたいただけない。それに手拭いが保冷剤ですぐにびしょびしょになってしまいます。ガーゼが二重になっているガーゼ手拭いは、その点ちょうどよく保冷剤の冷たさが伝わってきて、しかも柔らかくて優しい肌触り。
もちろんお好みで、薄手のタオルや、手拭いを二重にしてつくるのもいいと思います。
制作時間は15分ほど。
熱中症は、あれ?と気づいたときにはもう発症してしまっているのが特徴のようです。かくいう筆者も、数年前に何度か経験しました。暑いけどもう少しきりのいいところまでやっちゃおう、とベランダでの水やりを頑張って、気づいたら顔が真っ赤。その後頭痛や吐き気、発熱ととんだ目に遭いました。
まずは暑い日には水分を十分摂って、なるべく体をひんやり保つこと。
頭が暑いと感じたときは、首だけでなく、頭にひんやり手拭いを巻きつけてしばらく冷やします。すると、頭全体がスーと涼しくなってひと心地つけるのでした。
とにかく、厳しい残暑にはご用心。やがて二十四節気も、「立秋」の次は「処暑」ではなく「残暑」になっていくのかと諦め気味ではありますが。
とはいえ、身体は守らねば。ひんやり手拭いで、残暑対策をぜひ。
平野恵理子
イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。
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