きれいな柄で包むマッチ箱
十一月も後半になって、もう小雪です。寒さが少しずつ忍び寄って、遠い山には白いものも。木の葉も色づきを増して、木によっては裸木になったものもあるようです。秋の最後の輝きを見届けなければ。

炉開きの季節、石油ストーブを使うようになりました。我が家の石油ストーブはマッチで火をつけるタイプ。朝夕点火のためにマッチを使います。
もうひとつ、お仏壇にお灯明をつけるため、マッチをすってロウソクに火をつけるのも毎朝の決まりごと。そんなわけで、とくに冬はマッチの使用頻度が高いのです。

ふだんは徳用マッチを使っていますが、たまにはきれいなマッチ箱をつくってみましょうか。きれいにお化粧したマッチ箱は、手に取るたびに、またマッチをするたびに、ちょっとだけ心が弾みます。
店の広告のマッチや、白い箱のマッチをまとめて買ってきて、千代紙を貼り付けてつくります。千代紙だけでなく、色紙や、面白い柄の包装紙でもいいですね。
母が生前、こんなふうにマッチ箱をきれいにしていました。そこら辺に転がっているマッチ箱が、千代紙を貼ることでこんなにも魅力的になるのだと驚いたものです。主にお仏壇で使っていました。

厚紙の箱やカルトンなどに、布を貼って美しく仕上げるのをカルトナージュといいますが、このマッチ箱は布ではなくて木版刷りをした和紙の千代紙。それでも、プチ・カルトナージュともいえましょう。うまく仕上げるコツは、正確なサイズで紙を切ること、それと糊付けはピッタリと。曲がったり、しわのよらないようにちょっとだけ慎重に。

一時期これに夢中になって、家中のマッチ箱をかき集めては、片っ端から千代紙でくるみました。マッチ箱をくるみ終わると、他に包むものはないかと台所を物色し、小さな茶筒やお菓子の箱など、どんどんくるんで止まらない。
紙だけでなく、細かな柄の布をマッチ箱に貼るのもよさそうです。小さな端切れを選んで使ってみることにしましょう。これから冬中は毎日使うマッチ。沢山くるんだので、ひと冬分は足りそうです。

マッチ一本火事の元、くれぐれも注意して使います。

平野恵理子
イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。
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