閉塞成冬そらさむくふゆとなる

二十四節気と七十二候 2021.12.08

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二十四節気は大雪を迎え、七十二候は「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」に入りました。季節は初冬から、いよいよ仲冬に入ったことがよくわかる一候で、天地の気が塞がり、真冬になるという意味合いです。

『礼記』の月令には「天気上騰シ、地気下降、天地不通、閉塞シテ冬ヲ成ス」と記され、七十二候はこの最後の部分を採用したものです。日本では「閉塞」を「そらさむく」と読ませ、重く塞がれたような冬の空を思わせますが、本来の意味は天の気は空に上がり、地の気は地中に閉蔵され、天と地が分かれ、通じ合わなくなって冬になるという意味です。春から秋まで行われていた天地の交流が終わり、お休み期間に入るような感じです。

「塞」には砦(とりで)の意味もありますので、生き物たちが眠りに入り、大地に暮らす私たち人間も戸を塞いでしっかりと家に籠もる、守る、という意味合いもあります。雪国では窓や扉を板で覆う雪囲いも終わり、平地にも雪が降り始めました。うちの田んぼにも初雪が降り、すっかり冬の景色に。泥の中にはカエルやヘビ、イモリ、ヤゴなど、たくさんの生き物が眠っています。

日差しの弱さは感じるものの、天気のいい日はまださほど寒くはなく、青空もみえます。カエデやモミジのピークは過ぎましたが、紅葉シーズンの最後を飾るイチョウは今が盛り。太陽の光を浴びて、眩しく輝いています。

プラタナスの大きな葉は勢いよくバサバサと落ち、見上げるとすっかり葉を落とした枝に、ポンポンと丸い実がたくさん、音符のように並んでいました。

鈴懸の葉

プラタナスの和名は、鈴懸(すずかけ)の木。山伏の鈴懸衣(すずかけころも)についている玉飾りに似ていることからついた名ですが、トリュフチョコレートのような茶色の実が枝にしっかりと残って、ぶらぶらと寒風に揺れる姿も冬ならではの光景です。

鈴懸の実

七十二候「閉塞成冬」は冬ごもりの合図でもあります。コトコトと料理をしたり、家の中を快適にするために何かちょっとした工夫をしてみたり。家の中でできることを楽しむ季節です。

せわしない年末に入りつつありますが、「忙中閑あり」。あたたかく、幸せを感じるおうち時間を味わいましょう。わが家はリンゴを一箱いただいたので、アップルパイを作ってみました。

文責・高月美樹

写真提供:高月美樹

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高月美樹

和暦研究家・LUNAWORKS代表 
東京生まれ、三鷹育ち。好きな季節は、初夏の清和と、胸がキュンとする晩夏。趣味は、田んぼ生活・植物と虫・ミツバチ研究。専門分野は和暦文化。『和暦日々是好日』発行人。

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