手づくり二十四節気「小寒(しょうかん)」

二十四節気と七十二候 2022.01.05

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紙を折って箸袋を

新しい年が明けました。いかがお過ごしでしょうか。何度お正月を迎えても、やはり新年はいいものだな、と感じます。初日の出を見て、おせち料理を祝って、二日には書き初めを。お正月にするひとつひとつのことが新鮮で厳かで、今年一年の希望に心が浮き立ちます。

年が明けて最初の節気は小寒。寒の入りです。寒さが厳しくなるこの季節、温かくして過ごしたいもの。
また、おせち料理をすっかり平らげて、満足した頃でもあります。
そんな一月七日、人日の節句には、七草粥で今年の無病息災を祈念します。七草を刻んでさっくりと混ぜたお粥は、春の香りがいっぱいです。春の七草を、ここでもう一度おさらいしましょうか。

せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ、これぞ七草。

すずなすずしろはともかく、ほかの五種類の草は、道端にもよく生えているごく親しみのある草です。すずなは蕪、すずしろは大根のこと。

七草粥は太箸でいただくのが本式のようですが、ここは慣れた自分の箸や割り箸、両細箸でもいいとしましょう。食べやすいのがいちばんである、ということで。

ただ、お箸袋をオリジナルで作ってみませんか?
きりりと白い紙を折って作った箸袋には、爽やかな清新さがあります。卓の上に、ま新しい箸袋に入れた箸を置けば、七草粥もまた厳かな気持ちでいただくことができそうです。

箸袋の作り方はごく簡単。ただ、使用する白い紙は、ぜひ和紙にしていただきたく思います。奉書紙を切って使ってもいいし、半紙を二枚重ねにしたり、お懐紙を使うのも手軽でいいですね。

新年らしく、白い紙に赤い紙をプラスして「におい」にします。この匂いは飾りなので、なくてもオーケー。白い紙だけの箸袋もまた、端正でいいものです。 葉書くらいの大きさの紙を筒状に折って、お箸を差し込み、下を折り上げれば出来上がり。超シンプルな箸袋です。

※「におい」とは、紙を折る礼法「折形」のなかで、白い紙に色の紙を使って少しだけ色味を加えることです。

折る幅や長さによって、様々な表情の箸袋ができます。幅広にしたり、逆に細身に作ったり。なるべく長く作ったり、短めにまとめたり。お好みと気分によって、同じ紙を使ってもいろいろに仕上げられるのが面白いところ。
ぜひご自分好みの箸袋を折ってみてください。

このお箸袋は、お客様のときやお祝いの席にも使っていただけたらと思います。シチュエーションによっては、白い紙でなく、色柄の紙で折るのも面白いですね。

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平野恵理子

イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。

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