カラフルなオリジナルせっけんを
4月も下旬になると、気温が安定してきて、まさに春爛漫。春もかなり爛熟してきました。
4月20日は穀雨。百穀を潤す春の雨を意味します。この雨が続くと春の長雨、菜種梅雨に。草木が、作物が、一気に育つ季節でもあります。
田畑の百穀を潤す慈雨は、当然我が家の小さな庭にも降り注ぎ、春の生長真っ盛り。庭仕事にも熱が入ること禁じ得ません。
庭仕事のあとは、手袋や腕カバーをしているとはいえ、どうしても泥んこに。よくよく手を洗わなくては。庭仕事が始まるこの季節からは、せっけんを使う量と機会がぐんと増えます。
そこで、ちょっと気分を変えようと、オリジナルのカラフルなせっけんをつくってみました。色だけでなく、形もいろいろに。
作り方はごく簡単です。用意するのは、透明なグリセリンソープ。色付けには食紅を使います。赤、緑、青、黄色など、家にあるもので。ソープの色付け用色素も市販されているので、それを用意すれば完璧でしょう。香りをつけるにはエッセンシャルオイルを。材料は以上です。
ほかに用意するものは、グリセリンソープを溶かす耐熱容器と、溶かしたソープを固める型。紙コップやプリン型、お菓子作り用のシリコンカップやアルミカップも使えます。牛乳のカートンを短く切って使うと、大きめの四角いせっけんができます。
グリセリンソープをサイコロ状に刻んで、耐熱容器に入れて湯煎で溶かします。電子レンジを使ってもOKです。我が家には電子レンジがないのでのんびり湯煎。どちらの方法でも、ソープが沸騰しないように気を付けます。
少しずつ湯煎で溶かしては色付けをして、型に流し込み、固まったところでまた次の色を流し込む。実験をしているのか、工作をしているのか。面白くって止まりません。固まりかけのところに違う色をとろりと混ぜてマーブル模様にしたり、違う何色かを固めて細かく刻んだものを、透明のソープで固めたりなど、アイデア次第でオリジナルのせっけんが無限にできそうです。
薄く薄くスライスして、懐かしの紙せっけんも作ってみました。これは、小さなお皿に並べてお客様用に使おうと思っています。
これから夏にかけて、さらに熱が入る庭仕事。終わったあとは、あのきれいな色透明のせっけんで手を洗うんだと思えば心がウキっとして、どんなに泥だらけになってもへいちゃらです。
平野恵理子
イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。
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