手づくり二十四節気/立秋りっしゅう

二十四節気と七十二候 2022.08.07

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スイカの手提げ網

暑い最中ですが、立秋でございます。
残暑お見舞い申し上げます。

立秋なのですから、涼しい風がどこからか吹いてくるかと思えども。なかなかそう甘くはないようです。厳しい残暑が続きそう。ただ、気がつくとだいぶ日が短くなっていますね。ヒグラシの声が夕暮れ時には響いて、これは納涼効果抜群。

そんななか、果物屋さんではスイカがずらりと並んでおいしそう。まん丸大玉のスイカは、一人暮らしの身ではなかなか買う機会がなくてとても残念。夏休み気分の代表選手と言ったら、やはり大玉スイカですものね。

この夏も、なんとか大きなスイカを買う機会がないでしょうか。すると、近所の友人と花火をしよう、あるいはBBQだ、なんて声がかかるのですね。いよいよこの時とばかり、張り切ります。まん丸スイカを買ってきたら、早めにバケツに水を汲んで冷やしましょう。

さて問題は、この大きな球形の果物をどうやって持って行くか。布の手提げに入れて行くのもつまらないし、抱えて行くわけにもいきません。そこで昔はよく見かけた、ナイロン紐で作られた手提げ編みを作ろうと考えました。あの懐かしい網にスイカを入れてぶら下げて行ったら、夏らしくっていいだろうなあ、と。

中学生の頃、フェルト生地を縫いつなげて手のひらに乗るくらいの小さなサッカーボールを作りました。それをタコ糸で作った網に入れて、マジソンバッグにぶら下げて学校に通ってたのですね。それを見たサッカー部の男子にも頼まれて、いったいいくつのサッカーボールを作ったことでしょう。そうだ、あのタコ糸の網だ。どうやって作ったかなあ、と記憶を辿りながら作ってみました。

ナイロンの荷造りテープは2色の紐を使って涼しげに。小玉スイカなら、麻紐を使うのも味わい深い。順番に隣同士の紐を結んでいくだけなので、単純な作業です。大玉用は紐も多いので30分くらい、小玉用なら15分もかからずに出来上がります。

この網を作り始めると面白くって止まらなくなって、何かほかに入れるものはないだろうかと部屋中をキョロキョロ。そうだ、今まさに使っている荷造りテープを入れるのにも便利ではないか。赤白2色の撚り紐を使って作ったら、白い荷造りテープに映えてゴキゲン。こうなったら本物のサッカーボールを買ってきて、自作の網に入れたい気分にさえなりました。メロンやカボチャも手製の網に入れてプレゼントしたら、よろこんでもらえるそう。ほかにも、網に入れるとよさそなものを考えながら、この手提げ網を作ってみてくださいませ。

ではでは、今年の8月も冷たいスイカで水分を摂って、残暑を乗り切ることにいたしましょう。

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平野恵理子

イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。

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