秋も深まりました。霜降です。二十四節気では秋の最後の節気となります。
10月に入ると、あちこちでかぼちゃの飾り物を見かけるようになります。お花屋さんでは「オモチャかぼちゃ」といって、色とりどり、また形も色々のカボチャが出回っている様子。31日はハロウィンですね。

先日ご近所から可愛いカボチャをいただきました。それではいっちょうランタンを作ってみようか、と彫刻刀を出してトライです。
もう20年ほどまえ、ずいぶん昔に見たアメリカの雑誌に載っていたカボチャランタンの作り方を思い出して、記憶をたぐり寄せながらつくってみます。
まずはかぼちゃの底を平らになるように削ぎ落として、中身を繰り出します。
かぼちゃは種がたくさんあるので、多産の象徴とされてきました。たしかに、スプーンで取り出すと、これでもかと出てきます。用意していたお皿が山盛りになって、慌ててもう一枚お皿を出すほど。皮がなるべく薄くなるように、果肉も丹念にこそげます。

中身が空っぽになってかぼちゃの支度ができたら、次に模様のガイドをつけるための作業を。かぼちゃの胴体にマスキングテープを巻き付けていきます。まっすぐ水平になるよう、丁寧に。
そしていよいよ彫刻刀で穴を開けていきましょう。彫刻刀の葉の形によって、彫れる形も変わってくるので工夫して。最初はテープに沿って一周彫ったら、あとはアレンジを自由に。模様ができてくると、楽しくってやめられなくなります。

いただいた小さなかぼちゃ三つはランタンにできたので、さらにやる気が湧いてきました。そこで野菜の市場で大きな赤いカボチャを見つけたので購入。これには三角刀で細かくダイヤモンド形の模様をつけてみることに。
小さなかぼちゃはひとつ30分くらいで出来上がりましたが、模様が細かくてしかも大きなかぼちゃは、仕上げるのにさすがに2時間ほどかかってしまいました。とはいえなかなかのできばえ。
できあがったかぼちゃランタンを並べて、中にロウソクを灯してみると、まあロマンチック。部屋の明かりを消して、しばし見とれたことでした。
時間はかかりますが、丁寧に彫っていけばばむずかしいことはないので、かぼちゃランタン、つくってみることおススメです。

ハロウィンパーティなどは特にしませんが、今年は玄関にこのかぼちゃを並べて飾っておこうかな。


平野恵理子
イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。
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