植物の名前をタグに書き込む
春になって草や木の花が咲き誇り、生命が輝き始めるときです。万物が生き生きと清らかな、そんな季節が「清浄明潔(しょうじょうめいけつ)」の清明。

このころ、我が家でも庭仕事が忙しくなってきます。地植えに鉢植え、苗を植え替えたり種を蒔いたり、することはいくらでもあって終わりが見えないほど。
植えるのにいっぱいいっぱいで、今までは植物や鉢植えにつけるネームタグなどはほとんど適当なものでした。苗についていたタグをそのまま使っていたこともありますし、自分で書くとしても、黒い油性ペンでポイポイッと書いてすませていました。
が、これではいけない。いつも使っているタグでも、もう少し心を込めて植物の名前を書いてみようではないか。ペンも彩りのあるものを使って。
と、始めてみるとこれが面白い。タグの色を選んだり、ペンの色を選んだり。名前のまわりに飾りケイを入れるのも効果的だし、袋文字で名前を書くのもよく分かっていい。ああでもない、こうでもない、と考えながら書いていたら止まらなくなりました。

目の前にある植物を見ながら、
「この子にはどんなタグが合うだろう」
とアイデアを捻り出そうとするその時間が植物との対話にもなっているようで、よりそれぞれの草木が愛おしく感じられるのでした。
使ったのはどれも市販のタグ。が、ちょっと柄を入れたり文字にデコレーションをすると、オリジナルのタグのようになります。文字の色を変えるだけでも、ピカッと光る名札になるのがいいところ。

アルミの薄片を使ったタグは、主に木の枝にぶら下げます。ちょっと植物園みたいでうれしい雰囲気。二枚のアルミ片の間に白い厚紙が挟んであって、ボールペンで筆圧を強くして書くと、アルミに凹凸が出て名前がパーマネントになります。雨に濡れてもインクが褪せても、凹凸は残るのです。

自分の庭なので、どれがなんの木であるかはほぼ分かっているけれど、このアルミタグが面白くて、あるだけ書き込んでぶら下げたいと思っています。ただ、今年植え込む何本かの木の分は残しておかないと。
種蒔きをした小さな鉢にも、それぞれ小さなタグをつけておきます。大きくなったら、愛情を込めて新たにタグを書きましょうね。まずは芽を出して、大きくなあれ。植え替えの時に、特別なタグをつけますよ。
日に日に気温が上がり、日照時間も長くなるこの季節。山の木々も芽吹き、雑木林は淡い色に包まれています。何もかもが清々しいこの季節を逃さず、存分に味わいたいものです。

平野恵理子
イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。
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