神御衣祭(かんみそさい)のこと
このお祭りは伊勢神宮で天照大御神(あまてらすおおみかみ)に絹(和妙(にぎたえ))と麻(あさ)(荒妙(あらたえ))を、毎年5月と10月の14日に奉る祭典で、皇大(こうたい)神宮(内宮(ないくう))と荒祭宮(あらまつりのみや)に限って行われています。
皇大神宮鎮座のとき、五十鈴(いすず)川のほとりに宇治機殿(うじのはたどの)を建て、天棚機姫神(あめのたなばたひめのかみ)の孫、八千々姫命(やちちひめのみこと)をして天上の儀式に倣い和妙を織らしめたという古伝承に基づくお祭りで、神嘗祭(かんなめさい)とともに、神宮でも格別の由緒のあるお祭りです。
春秋の祭典に先だち、三重県松阪市大垣内(おおがいと)町の神服織機殿(かんはとりはたどの)神社の八尋殿(やひろでん)で和妙が、また同市井口中町の神麻続機殿(かんおみはたどの)神社の八尋殿で荒妙が、それぞれ地元住民の方々によって今も奉織されています。奉織に際しては斎館で身を清め白衣・白袴を着け、御塩で清めを受けてから行われています。
和妙の絹糸は三河産の赤引の糸を使い、4丈(約12m)の和妙を4~5日かけて織りあげるそうです。荒妙は、かつては神宮の麻園の麻糸だったようですが、現在は奈良県月ヶ瀬産の糸が使われ、通常は5~6日、麻糸は湿度によって切れやすくなるため時には10日ほどかかって織りあげられることもあるそうです。
昔ながらの機織り機を使い、伝統を守っておられる松阪市のみなさまに頭がたれる想いです。
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