稲穂がこがね色に波打つ実りの秋、神宮神田では抜穂祭(ぬいぼさい)が行われます。神田は皇大神宮を伊勢に導いた倭姫命(やまとひめのみこと)がお定めになったと伝えられ、五十鈴川の水を引きいれた水田で、神々に捧げる稲が大切に栽培されています。
抜穂(ぬいぼ)とは、大昔まだ鋭利な鎌がない時代に稲穂を一本ずつ抜き取っていたころの名残りと考えられています。9月に行われるこの抜穂祭は、神嘗祭に供える御料米(ごりょうまい)の稲穂を古式通りの方法で抜くもので、神嘗祭に付属のお祭りです。
よく実った稲を忌鎌(いみがま)で刈り取り、稲穂だけを1本ずつ抜き取るのです。1ヶ月ぐらいですべての稲を刈り取り乾燥させた後、内宮の「御稲御倉(みしねのみくら)」と、外宮の「忌火屋殿(いみびやでん)」に納めます。
お米を大切な供え物として稲作を重視する伊勢神宮。五穀豊穣(ほうじょう)に感謝する秋の大祭「神嘗祭」では、この新米を神々にお供えするのです。
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