夏の心地よい過ごし方

旬のもの 2020.06.02

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暑い日が少しずつ増えてきましたね。昨年は比較的涼しめの夏だったような記憶がありますが、今年の夏本番はどうなることでしょうか。

夏場の養生が黄帝内経という古典にかかれています。それを見ると、

夏の三ヶ月を蕃秀(ばんしゅう)という。天地の気は混じり合い、花が咲き乱れる。夜は遅くとも朝早く起き、日光をいとわず、志を怒らせることなく、気持ちを外へ外へともち、気を鬱積させること無くある。これが夏の養生である。これに逆らえば心を傷つけ、秋に瘧(おこり/熱病)にかかり、冬に悪化する

と書かれています。

蕃秀(ばんしゅう)とは植物が枝葉を伸ばして生い茂るさまのことで、夏は活動の時期、成長の時期とされています。

夏は、太陽の動きに合わせて、日中は活動的に過ごし、夜は少し遅めに寝て、朝は早く起きることが大切です。もちろん2000年まえの「遅い時間」ですから、現代の深夜といった時間帯ではなく、遅くとも日付が変わる前には寝るようにしましょう。朝の目覚めを良くするには11時までには寝るのが良いですよ。朝は明るくなるぐらいに起きるのが良しとされています。

(余談ですが、中医学の考えでは、常に睡眠時間をたっぷりではなく、睡眠は太陽の動きに合わせ、秋冬長め、春夏短めで、一年を通してバランスを摂るよう推奨しています。)

日差しを浴びて適度に発汗することも大切です。一日中冷房が効いたところにいて、発汗が足りないと、湿気や熱が体内にこもり、秋や冬の不調の元となるので、一日の終わりは湯船に使って少し汗をかいたり、朝夕、気温がそれほど高すぎない時間帯に散歩をしたりして少し発汗しましょう。

気持ちはイライラせず、大きな器量をもって、様々なことに興味を持ち活動的に過ごすのが良いとされています。
 

夏は、高い気温と多い湿度が厄介ですね。ジメジメして暑いので、どうしても冷たい飲食に手が伸びがちですが、体温より低い温度の飲食物は、胃腸を冷やし、消化吸収力を低下させるので、夏バテの元になります。胃腸のことを考え、夏バテの予防をするなら、常日頃から冷たいもの、生モノなどは最低限にするのがおすすめです。

体の熱を逃がすにはきゅうりやスイカなど、ウリ科のものがおすすめ。こもった熱を冷ます力と余分な水分を排出する力を持ち合わせているので、都合が良いです。ただし、果物は常温で、それ意外の野菜は火を通して食べるほうが良いですよ。その他、三つ葉、いちじく、バナナ、アサリ、こんにゃく、豆腐、ズッキーニ、ハトムギ茶、クレソン、緑豆、なすなども、こもった熱と、湿気を排出してくれるので、夏にはおすすめです。

逆に、摂り過ぎに注意したいのが、冷たい麦茶やビール、冷蔵庫で冷えた果物や刺身、サラダ、アイスです。これらは胃腸を冷やし、弱らせ、むくみやだるさ、食欲不振のもとになります。

夏バテで食欲が低下したら、まずは朝にお粥と梅干しをどうぞ。ミネラルとエネルギーと失いがちな水分をすべて同時に補え、さらに消化器系の負担にならない最適な朝食です。また、夏は酸っぱい物を摂るのに適した季節です。中医学で「酸味」には収斂作用(しゅうれんさよう)といって、漏れ出るものを抑える働きがあるとされています。汗のかき過ぎを抑える力、必要な潤いを体内に蓄えておく働きがあるので、レモンや酢の物、らっきょうなどをぜひ適量摂ってください。

また、体に余分な水分が溜まっている人は、むくみやすく、だるくなりやすく、雨の日に体調を崩しやすくなります。舌を見ると苔がべったり、舌全体を覆うようについています。食べ物が偏っていたり、ストレスが多い方は、この苔が黄色くなっていることもあります。どちらにしても体内に不要物が溜まっている状態ですので、食べ物を選ぶようにしましょう。

舌の苔はできるから取るのではなく、胃腸をいたわり飲食を選んで、できないようにすることが肝心です。苔べったりな人はとにかく胃腸が弱ってないかチェックしてケアしてあげてください。

すべて完璧にこなすことが養生ではありません。できそうだと思ったことを取り入れてみてください。無理なくできる、夏の健やかな過ごし方を探してみてくださいね!

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櫻井大典

国際中医専門員・漢方専門家
北海道出身。好きな季節は、雪がふる冬。真っ白な世界、匂いも音も感じない世界が好きです。冬は雪があったほうが好きです。SNSにて日々発信される優しくわかりやすい養生情報は、これまでの漢方のイメージを払拭し、老若男女を問わず人気に。著書「まいにち漢方 体と心をいたわる365のコツ」 (ナツメ社)、「つぶやき養生」(幻冬舎)など。

櫻井大典|ゆるかんぽう

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