こんにちは。漁師をしている三浦尚子です。
夏といえば、お祭りや花火大会。お祭りに行くとたくさんの縁日の屋台がずらりと並んで、何を食べようかなあと迷うのが楽しいですよね。今日はお祭りの定番、タコ焼きの具材に使われるタコについてのお話です。
日本人にとってなじみ深いタコですが、日本で食べられている多くはマダコやミズダコといった種類です。マダコでいうと、代表的なのが兵庫県の明石ダコ。明石では「麦わらダコ」という言葉があるそうで、「麦わら帽子をかぶる頃に味が増す」と言われています。
1年中同じ海域にいるタコのことを「地付き」、移動をするタコのことを「渡り」と呼び、同じタコでも産卵期が違います。地付きタコは夏にかけて大きくなって秋に産卵を迎え、渡りタコは秋から冬にかけて大きくなって春頃に産卵をします。夏頃に旬を迎えるタコは「地付き」と呼ばれるタコなので、いまがいちばんおいしい時期。

実はタコの体には心臓が3つ、脳が9つあり、無脊椎動物の中でもかなり高い知能を持っています。体をぐにゃぐにゃさせて姿を変えながら動きますが、獲物を狙って張り付くと離れません。頭と各足にひとつずつ脳があるため、各足で動きの判断をすることができるそう。
体のほとんどが筋肉で機敏な動きをするため、海のアスリート的な存在です!
ところで、私の仕事には毎日10時になると「お茶だよー」と声がかかって、お茶やお菓子を食べながらおしゃべりする休憩時間があります。あるとき、10時の休憩のときにタコ焼きがかなりの頻度で出てくるようになったことがありました。タコ焼きの中身のタコは、すぐ目の前の海で獲れたもの。
何年か前に、三陸沿岸付近ではタコが大漁になった年がありました。私が普段いる海は養殖をしている漁師さんが多く、私の職場も養殖をしている漁家さんです。なので、漁というものはあまりしておらず、私の師匠である漁師さんや、ほかの漁師さんがときどき籠を仕掛けて魚やカニをちょっと獲る程度なのですが、その年は仕掛けた籠に毎回タコが入ってくるのです。


獲れたタコは塩で体のぬめりを取って、大鍋で茹で、つるしていました。そして、茹でたタコを使って奥さんが作業場のすみっこでタコ焼きを焼いて、休憩のときに出してくれるという流れができていました。
大皿にたくさん盛られたタコ焼きにソースやマヨネーズをかけて、みんなでわいわいと皿を回しながら取り皿にわけてぱくりと食べる。動くとお腹がへるので、何回も大皿に手が伸びて何個もぱくぱく食べちゃっていました。

週末になると、小学校が休みの師匠の子どもたちが作業場に来ていて、作業場のすみっこでクルクルとタコ焼きを焼いて、漁港内の他の漁師さんたちに渡しに行ったりしていました。
タコ焼きを見ると、子どもたちが大きな声で元気よく配達してたことを思い出して、そういう日常をあらためて考えるとすごく豊かなことだなあと思うわけです。
タコ焼きは賑わいのあるところにつきもの。
窓を開けて夜風を入れながら、ちょっと暑いけどタコ焼き器にタコと生地をひいて、友達とわいわいタコ焼きを食べながらサイダーを飲む休日の夜を過ごしたいなあなんて思います。

三浦尚子
漁師・ライター
神奈川県出身、岩手県在住。春が好き。ほっとする暖かさと、生き物が活発に芽吹いていく空気が心地よく感じます。趣味はカメラとおいしいごはんを食べること。夜明け頃の海が好きで、ときどき海の写真を撮っています。
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