夏の肌トラブル

旬のもの 2020.08.26

この記事を
シェアする
  • twitter
  • facebook
  • B!
  • LINE

こんにちは。国際中医専門員の櫻井です。
今日は夏に多い肌トラブルのお話です。

今年の夏は本当に暑いですね。長かった梅雨から一転、いきなりの猛暑で体調を崩されている方も多いです。夏場は強い紫外線にさらされ、汗もかくし、エアコンの冷たい風にもさらされ、お肌にとっては負担がかかる環境が整っています。また飲食の影響などもあり、肌トラブルが出やすい季節でもあります。症状によって原因と対策が違いますので、よく見られるトラブルからタイプにわけてみていきましょう。

あなたのお肌は??

1. 吹き出物が多い
2. シミやくすみが多い
3. 乾燥肌

1. 吹き出物・ニキビが多い人は熱がこもっている状態

ニキビや吹き出物は、まず色をみます。真っ赤なのか、白っぽいのか、黄色い膿がたまっているのか、紫っぽくて腫れているのかを見分けます。

・真っ赤なニキビは、炎症が強く熱がこもっています。食べすぎ、飲みすぎ、ストレス過多が問題かも。おすすめはあっさり味の野菜類。こもった熱を冷ますには、大根、れんこん、ごぼうなどがおすすめです。またニガウリ、セロリなども良いですよ。

・白っぽいのは、皮膚に熱がこもりやすく喉や鼻が乾燥しやすいなど呼吸器系が弱っているか、辛いものの食べ過ぎかもしれません。皮膚の熱を冷ましやすくする、白菜、きゅうり、レタスなどをしっかり摂りましょう。

・黄色いニキビは、赤や白のニキビが悪化したときによく見られます。もともと熱がこもりやすい上に、脂っこいものや肉類などを多く食べるとできやすいです。まずはそれらを控えて、野菜と穀物中心のさっぱり味の食事を。トマト、豆腐、緑豆もやし、こんにゃくなどがおすすめです。

・紫ニキビは、さわるとゴリゴリしています。血のめぐりの悪さと関係するニキビです。頭痛や生理痛を併発する人も多いです。食ではゴリゴリを軽減するために昆布やわかめなどの海藻類をしっかり摂りましょう。

どのタイプにしても、基本は、脂っこくて味の濃いもの、甘いお菓子、辛いもの、お酒などはニキビの元を作り出すので、できるだけ控えてくださいね。
食材では海藻類やハトムギ茶がおすすめで、基本の食事は野菜と穀類中心のあっさりした食事に変えること。特に葉野菜が少ないと悪化しやすいので加熱した葉物野菜をたっぷり摂るよう心がけましょう。

  

2. シミやくすみは「血(けつ)」のめぐりが悪くなってる状態

シミやくすみが多いのは、紫ニキビと同じく血のめぐりが悪くなった状態。この状態になっていると、目の下にくまができたり、歯茎や唇の色も暗くなります。また、血の巡りが悪化すると肌はガサガサになってきます。

対策としては、動くことを心がけること。仕事でも1日中座りっぱなしはよくありません。1時間に1回は立ち上がったり、屈伸したり、肩回しをしたりして血に動きをつけるよう意識しましょう。食材ではナス、木耳(きくらげ)、れんこん、海藻類やローズティー・ハイビスカスティーなどがおすすめです。

 

3. 乾燥肌は体内の潤いが不足している状態

肌は体液である津液(しんえき)と栄養を運ぶ血(けつ)によって潤いが保たれています。これら体の液体成分が不足すると肌が乾燥しやすく カサカサになります。原因は多量の発汗、加齢、大病や手術の後、寝不足、潤いや血の元になる食材の不足などが考えられます。また、体の内部で潤いを作る「脾(ひ)」、体全体に巡らせる「肺(はい)」、余剰分をためておく「腎(じん)」のいずれかが弱っていても、潤い不足が生じてしまいます。

そのため、乾燥肌の方は発汗しすぎに気をつけましょう。長風呂、サウナ、岩盤浴に溶岩浴、ホットヨガなどは、もともと体液が少ないこのタイプは適していません。肌が乾燥しがちな方は発汗しすぎを避けましょう。

また、潤い成分は夜つくられるので、夜ふかしは大敵です。夜ふかしが習慣化している方は、まずは5分、できたら10分いつもより早く寝ましょう。それを繰り返し、徐々に就寝時間を早め、22時に就寝できることが理想です。

体の水分が足りないからと言って、沢山水を飲むのは誤りです。大量に飲んだ水は胃腸の負担となり、消化吸収力を低下させるためにさらなる潤いの不足を招きます。潤いは食べて補うことを意識して、瑞々しい野菜や果物などからおだやかに補給しましょう。

漢方には酸甘化陰(さんかんかいん)という言葉があり、甘味と酸味を合わせると潤いが生まれると考えます。甘味と酸味を併せ持つ食材の代表は梨です。乾燥する秋の味覚の代表ですね。その他、ぶどう、みかん、ライチ、トマト、スイカなどもおすすめです。食事ではお粥に梅干し、酢豚なども酸甘化陰のメニューです。

臓腑が弱っている場合は漢方の専門家による見立てが必要なので、専門家に相談してくださいね。

肌を気遣った養生は、体全体の養生につながります。肌トラブル一つとっても、体のいろんな問題が総合的に関与しています。肌の問題から体の状態を知るきっかけになるのはとても良いことと思います。しっかり養生して健康な肌を保ってくださいね。

  
  

\ 夏の入浴におすすめ /
この記事をシェアする
  • twitter
  • facebook
  • B!
  • LINE

櫻井大典

国際中医専門員・漢方専門家
北海道出身。好きな季節は、雪がふる冬。真っ白な世界、匂いも音も感じない世界が好きです。冬は雪があったほうが好きです。SNSにて日々発信される優しくわかりやすい養生情報は、これまでの漢方のイメージを払拭し、老若男女を問わず人気に。著書『まいにち漢方 体と心をいたわる365のコツ』 (ナツメ社)、『つぶやき養生』(幻冬舎)など。

櫻井大典|ゆるかんぽう

関連する記事

カテゴリ