紅葉の季節がやってきました。
いたるところで葉っぱが紅色に色づき、いつもの風景が秋色に染まります。

この季節にふさわしいイベントと言えば「紅葉狩り(もみじがり)」。
「狩り」というと、なんだか桑などを持って荒々しく狩り取るようなイメージですが、実は紅葉狩りとは「紅葉を見ること」を意味します。
その名前の由来は、平安時代に遡ります。
「狩り」はもともと狩猟の意味で使われていましたが、平安時代に狩猟をしない貴族が現れて、草花を眺めることを「狩り」と呼んだことが始まりといわれています。
また、かつて紅葉の名所は、山や渓谷など簡単に行けない場所にありました。
平安貴族はわざわざ紅葉を見るために足場が不安定な山や渓谷へ向かい、労力をかけていたのですが、その貴重な時間を「狩り」に例えていました。

もう一つ、平安時代を舞台にした歌舞伎や能に、戸隠山に住んでいた鬼女・紅葉(もみじ)を退治するという話があります。紅葉が見事に色づく山の中で鬼女は「狩り」とられたので、その演目は「紅葉狩」と呼ばれ、名前の由来になったとも言われています。

さて、紅葉の時期になると今まで私は名所へ出かけていくことが多かったのですが、ここ数年は、近所でお気に入りスポットを見つけて静かにゆっくりと見るようになりました。

去年、奈良へ引っ越したばかりの頃、地元の人に「紅葉がきれいだよ」と教えてもらった近所の神社。境内の階段をあがっていくと紅葉のトンネルが迎えてくれました。
1段1段、登るたびにため息を漏らしてしまうほどうつくしい光景が目の前に広がり、さらに上を見上げると紅葉とイチョウの共演が包み込んでくれました。

誰もいなくて静かな場所で、ひとり占めしたような贅沢な気分に。
以来、私はこの神社をとても気に入って、毎週通ってはお参りをしています。
お賽銭箱の前に立って、心の中で最近あったうれしいこと、大変なこと…色々と報告しては、今週もがんばるぞと気合いを入れて、帰る頃には足取りが軽くなり元気をもらう。紅葉を見に行ったことをきっかけに、私にとっては相棒のような存在の、特別な神社になりました。
今年もここで見る紅葉とイチョウの共演を心待ちにしながら、少しずつ変わる景色の変化を眺めて楽しんでいます。
今年の紅葉狩りは、遠出したり名所へ行って見ることは叶わないかもしれませんが、こういうときだからこそ、近所の穴場スポットを見つけてみるのもいいかもしれませんね。灯台下暗しで、意外と良い出会いが訪れるかもしれません。

松下恭子
うつわ屋 店主・ライター
神奈川県出身、2019年に奈良市へ移住。
好きな季節は、春。梅や桜が咲いて外を散歩するのが楽しくなることと、誕生日が3月なので、毎年春を迎えることがうれしくて待ち遠しいです。奈良県生駒市高山町で「暮らしとうつわのお店 草々」をやっています。好きなものは、うつわ集め、あんこ(特に豆大福!)です。畑で野菜を育てています。
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