こんにちは。ライターの高根恭子です。
11月に入り、ぐっと寒さが増してきましたね。
北陸の冬の風物詩、「雪吊り(ゆきつり)」が見られる季節がやってきました。

雪吊りとは、冬季、雪の重みで樹木の枝が折れないように、縄や針金で枝を吊っておくことをいいます。
雪吊りには「しぼり」「みき吊り」「りんご吊り」の3つの方法がありますが、代表的な手法は樹木の幹あたりに柱を立て、柱の先端から各枝へと放射状に縄を張る「りんご吊り」です。傘ですっぽり覆ったような姿になり、これはりんご栽培が盛んだった金沢市で、大きくなった実を枝折れから守るために行われていたのが始まりといわれています。
雪吊りは雪の多い東北地方や北陸地方で行われていますが、代表的なものは石川県金沢市の「兼六園」。兼六園の雪吊り作業は毎年、高さ9メートルにも及ぶ「唐崎松」から始めます。重機などを一切入れず、5本の柱と800本もの縄で手作業で枝を吊ります。

雪吊りは総勢500名もの庭師が12月頃まで1カ月以上かけ、巣籠り松や根上松、播州松、ツツジなど500本を超える木々に施していきます。兼六園の雪吊りの技術は、全国から庭師が学びに来るほど注目されています。
夜にはライトアップもされ、幻想的な雰囲気に。

雪が積もった兼六園もまた、この時期ならではの風情ある景色ですね。

雪吊りは、もともとは雪の重みから樹木を守るためのものでありながら、その機能面だけではなく見た目の美しさも求めて今の形になりました。人工的につくられたものではありますが、自然のありのままの姿を日本人ならではの感性でつくりあげる芸術作品だと思うと、庭師への羨望の気持ちが高まりますね。作業風景もまた、見所のひとつです。

私が住んでいる奈良県は雪国ではないので雪吊りには馴染みがないのですが、もし、雪国へ行く機会があったら今年は雪吊りに注目してみたいと思います。自然の中で美意識を忘れずにたくましく生きる日本人の精神性は、こんな時代だからこそ、きっと大きなヒントになるかもしれませんね。
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