秋もすっかり深まり、小鳥たちの混群が始まりました。小さな鳥たちは秋になると群れを作ります。メジロ、シジュウカラ、ヤマガラ、ヒガラなど、複数の種類が一緒に行動することが多くなり、互いに危険を知らせ合いながら、木から木へパラパラと移っていきます。私はこの混群を観察するのが好きで、ともに助け合って冬を生き抜く小鳥たちの姿に励まされつつ、彼らの無事を祈ります。
一年中いるこうした留鳥のほかに、夏にだけみかける小鳥もいれば、冬にだけみる小鳥もいます。冬鳥の代表格といえば、ジョウビタキ(尉鶲)。オレンジのお腹が美しい小鳥で、黒っぽい羽に白い紋があるので、紋付鳥(もんつきどり)ともいいます。ジョウビタキは市街地にもいて、単独行動を好み、目立つところに止まるので、見つけやすい鳥です。

マヒワ(真鶸)も代表的な冬鳥で、夏はユーラシア大陸北部で繁殖し、晩秋になると日本にやってきて、晩春まで日本にいます。北海道や高山の一部では繁殖がみられることから、漂鳥(季節によって移動する鳥)ともいえます。
マヒワはスズメよりも小さく、日本にいる間は繁殖期ではないので、いつも群れで行動しています。山林地帯を好むので、都会ではあまりみかけませんが、春になると平地部に降りてくることもあります。ともかく種と芽が大好きな小鳥です。
冬はハンノキ、カバノキ、カラマツの実などの種を、枝にぶるさがって上手に掘り出し、春になるとコナラやケヤキなどの新芽や花穂を食べます。いちばんみつけやすいのは、やはりハンノキでしょうか。楕円形の球果が鈴なりになり、赤い花穂をたっぷり垂らすハンノキは、マヒワの大好物です。

冬の黄色い鳥。マヒワの特徴はなんといっても、黄色の羽です。オスは黒い頭に濃く鮮やかな黄色、メスは斑紋のある薄い黄色です。裸になった枝にマヒワの群れがやってくると、花が咲いたように華やかにみえますし、冬の陽光を浴びるマヒワの黄色は光沢を帯びて輝いてみえます。

その色の美しさは昔からよく知られていたようで、鶸色(ひわいろ)はすでに鎌倉時代から礼服の狩衣の色として登場し、江戸時代に大流行したそうです。マヒワをみたことがない人でも鶸色といえば、イメージが湧く人が多いかもしれません。ちょっと緑がかったインパクトのある強い黄色です。さらに緑の強い鶸萌黄(ひわもえぎ)、くすんだ鶸茶(ひわちゃ)などの派生色もあります。

目にしみるようなこの鶸色は鮮やかにして、古典的。現在も志ま亀、ぎおん斎藤、千總といった格式ある老舗の呉服店が必ず使う色で、明るく華やかでありながら気品もあり、女性の着物の色として今だに人気があります。
冬の小鳥、ちょっと観察してみてください。
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