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サザンカ

旬のもの 2020.11.20

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こんにちは、俳人の森乃おとです。

二十四節気の暦で冬の入りを告げる「立冬」は、今年は11月7日でした。立冬を過ぎると、朝夕の冷え込みも厳しさを増し、樹々の緑も目立って減ってきました。サザンカ(山茶花)はそのころに花をつけ、これからの長い冬枯れの季節を彩ってくれます。

「山茶始開(つばきはじめてひらく)」

七十二候では、立冬の初候は「山茶始開(つばきはじめてひらく)」。「山茶」は「つばき」と読みますが、サザンカの花のことです。
サザンカはツバキ科ツバキ属の常緑小高木です。日本には3種類のツバキ属の木が自生しています。ヤブツバキ(いわゆるツバキ)とユキツバキ、そしてサザンカです。

ヤブツバキは北海道を除く日本全国と朝鮮半島南部に分布。ユキツバキは本州の日本海側などの豪雪地帯に。サザンカは日本固有種で、山口県と四国、九州に自生しています。奈良時代までに中国から渡来したチャノキ(茶の木)もツバキ属です。

「山茶花」という名前の由来

サザンカはツバキに姿形がよく似ているため、長い間区別されていなかったようです。万葉集にはツバキを詠んだ歌が9首あるのに、サザンカは皆無。そればかりか江戸時代以前の和歌には1首しかありません。田安宗武(徳川8代将軍吉宗の次男)が、茶毒蛾(チャドクガ)の毛虫による「ヒメツバキ」(サザンカの別名)の食害を嘆いたものです。
ややこしいことに、「山茶」はツバキの中国名。サザンカの漢字表記の「山茶花」は本来、ツバキの花を指します。ところが日本では、木偏に春を組み合わせた「椿」という和製漢字(国字)が作られ、すでに使われていました。中国にも「椿」という漢字がありますが、これは全く別の植物を指します。

そのため「山茶花」は、サザンカの表記に使われることに。その際「サンサカ」という読みが、「サザンカ」に入れ替わってしまったと考えられます。
サザンカの本来の漢字名は「茶梅(ちゃばい)」ですが、あまり使われませんでした。

「山茶花を旅人に見する伏見哉(かな)」 井原西鶴

サザンカが人々に知られるようになったのは、江戸時代に品種改良が進んでからです。
野生種の花の色は白ですが、園芸種では赤、桃色、斑(ふ)入りとカラフルになり、5枚だった花びらの数も7枚以上にと、華麗さを増しました。
西鶴の句は、江戸でのサザンカの評判が上方にも伝わってきたころの作。伏見は京都・大阪間の要となる宿場町で、美しいサザンカの花は宿屋の客寄せに十分役立ったのでしょう。

「山茶花を雀のこぼす日和哉」 正岡子規

サザンカとツバキを見分ける方法は、サザンカの方が花も葉も小さい、葉の縁にノコギリ状のギザギザがあるなど幾つかありますが、一番の違いは花の落ち方。
ツバキは花びらの基底部と雄しべがつながっているので、花ごとポトリと落ちます。それに対してサザンカは、花びらが1枚ずつパラパラと散ります。
子規の句は、小鳥が起こすわずかな揺れにも散ってしまう、サザンカの花の特徴を描いています。

サザンカの花言葉と香り

サザンカの花言葉は「困難に打ち勝つ」「ひたむきさ」。厳しい冬の寒さにも負けず、けなげに美しい花を咲かせる姿からでしょう。
色によって異なる花言葉も持ち、赤い花は「謙虚」「あなたがもっとも美しい」。白い花は「愛嬌」「あなたは私の愛を退(しりぞ)ける」。そして、桃色の花は「永遠の愛」です。
ちなみにツバキの花言葉は「控えめな優しさ・誇り」など。華やかなツバキが〝控えめ〟とは少し意外ですね。それは、ツバキの花にほとんど香りがないことが由来だそうです。一方、サザンカにはジャスミンの花にも似た爽やかで甘い芳香があります。

南九州ではサザンカの新芽でお茶をつくり、香り袋としても用いたそうです。硬い実からはツバキと同様、油が搾られます。匂いが良いので、山茶花油の方が椿油よりも高級とされています。

サザンカ  山茶花
学名Camellia sasanqua(カメリア・ササンカ)
英語名 sasanqua
中国名 茶梅
別名 カタシ、ヒメツバキ、コツバキ
ツバキ科ツバキ属の常緑小高木。樹高は3mほど。日本固有種で、山口県、四国、九州に自生。花の色は野生種は白、園芸種は赤、桃色も。庭木、生として好んで植えられる。

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森乃おと

俳人
広島県福山市出身。野にある草花や歳時記をこよなく愛好する。好きな季節は、緑が育まれる青い梅雨。そして豊かに結実する秋。著書に『草の辞典』『七十二候のゆうるり歳時記手帖』。『絶滅生物図誌』では文章を担当。2020年3月に『たんぽぽの秘密』を刊行。(すべて雷鳥社刊)

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