こんにちは。気象予報士の今井明子です。
日ごとに風が冷たくなり、少しずつ冬らしくなってきました。
この時期に吹く冷たい風のことを「木枯らし」といいます。
木枯らしには明確な定義があり、この季節に吹く風はなんでもかんでも木枯らしと呼ぶわけではありません。

まず、木枯らしは、冬型の季節配置になったときに吹く風のことをいいます。冬型の気圧配置とは、よく天気予報でも耳にする「西高東低の気圧配置」のことです。
冬が近づくにつれ、シベリア付近の大地はキンキンに冷やされて、シベリアの地表付近には冷たい空気の塊ができます。冷たい空気は重いので、高気圧となります。これがシベリア高気圧です。一方で、日本海や太平洋は大陸に比べて相対的に暖かいので、気圧が低くなります。こうして、冬は西に高気圧が、東に低気圧ができるため、「西高東低の気圧配置」と呼ばれているのです。

高気圧から低気圧には風が吹くので、冬は北西から冷たい風が吹きます。これが冬の季節風です。木枯らしはこの冬の季節風のなかでも、10月なかばの晩秋から11月末の初冬の間にはじめて吹く風速8m/s以上の風のことを指します。そして、その年にはじめて吹く木枯らしが「木枯らし1号」です。気圧配置は違いますが、春一番の秋バージョンみたいな感じですね。

木枯らし1号は木枯らしよりもさらに定義が厳密に決まっています。まず、木枯らし1号が発表されるのは、東京地方と近畿地方だけ。そして、それぞれの地方ごとに定義も微妙に違います。気圧配置と風速は同じなのですが、時期と風向きが違うのです。
【東京地方】
・時期 10月半ば〜11月30日
・風向 北から西北西の間
【近畿地方】
・時期 二十四節気の霜降〜冬至
・風向 北北東から西北西の間

ちなみに、まれにですが木枯らし1号が発表されない年もあります。たとえば2018年と2019年は東京地方では木枯らし1号が発表されませんでした。
個人的には、木枯らしをはじめ、冬の季節風は骨の髄まで冷え込むので外出がつらく、なるべく吹いてほしくないなあと思ってしまいます。でも、冬の朝が冷え込んだり、雪が降ったりしないと冬らしさを感じず、物足りないことも確か。果たして、今年の冬は寒くなるのでしょうか。


今井明子
サイエンスライター・気象予報士
兵庫県出身、神奈川県在住。好きな季節はアウトドア・行楽シーズンまっさかりの初夏。大学時代はフィギュアスケート部に所属。鯉のいる池やレトロ建築をめぐって旅行・散歩するのが好き。
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