夏になればゴーヤチャンプルが食べたくなるし、
ピザなら生ハムとルッコラもいい。
天丼にはししとうが必要だし、
食後のコーヒーにお砂糖とミルクはいりません。
日々、案外苦い食べ物を楽しんでいる漬物男子、田中友規です。
子どものころは食べられなかったのに、いつの間にやら料理の味を引き締めてくれる大事な味覚と感じるようになった苦味。
そう思うと、味覚というものは育てていくものなのかもしれません。
人の舌は、甘味、酸味、塩味、苦味、旨味の5つを感じわけているのは周知の通りですが、苦味は、甘味の1/1000の濃度でも感知できるそう。
良薬口に苦し、というように体に入れていい苦味、毒になる苦味など鋭敏に味わい分けているのです。

この時期の苦い食材の代表といえば、やはり「ふきのとう」
みなさんはお好きでしょうか?
大人の味とはまさにこれ!と膝を打ちたくなるような食材ですが
天ぷら、佃煮、味噌和え・・・考えてみるとレパートリーは少なめ。
ならば、と新しい漬物を作ってみました。
用意したのは、干し椎茸、枯れ節、醤油です。
容器の中に、アク抜きをしたふきのとう、そのほかの食材も一緒にいれて2、3日。
ゆっくり、ゆっくり乾物はほぐれ、干し椎茸、枯れ節の旨味、ふきのとうの苦味が醤油に移動していきます。
発色の鈍い灰緑色が美しく、懐かしくも新しい苦旨醤油の漬物ができました。


ヒントになったのは、ピーマンと牛肉の青椒肉絲であり、オレンジピールと鴨肉の相性、といった苦味と肉の旨味を合わせた関係性。
椎茸と鰹の濃縮した旨味に、ふきのとうが負けてしまうかな、と思いひとつまみ。
いやはや、さすがです。しっかりと、春らしい味わいを舌の上に広げてくれました。
台所で漬物を味見していたところに「ふきのとう、知ってるよ。」と小学生の息子が言いました。
教科書で工藤直子さんの児童文学「ふきのとう」を読んだのでしょう。
竹笹、雪、太陽、ふきのとうが雪解けを待っているように、僕たちも、もうすぐやってくる季節についそわそわしてしまいます。
さあみなさん、もうすぐ、春です。


田中友規
料理家・漬物男子
東京都出身、京都府在住。真夏のシンガポールをこよなく愛する料理研究家でありデザイナー。保存食に魅了され、漬物専用ポットPicklestoneを自ら開発してしまった「漬物男子」で世界中のお漬物を食べ歩きながら、日々料理とのペアリングを研究中。
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