漬物男子、田中友規です。
今年は暑い。
すでに桜も散り始め、もうすぐそこに初夏が見えているようで
心地のいい季節が、気付かぬ間に早送りで通り過ぎていってしまうのでしょうか。
こうも暑いと旬の野菜も一緒に姿を消してしまうのが残念です。
特に短かったのは、小かぶ。
春の七草として親しまれ、すずなとも呼ばれるかぶは、やはり寒い時期のお野菜。
きゅっと引き締まった食感と、癖のないシャキシャキとした葉の組み合わせは
冬と春、同じかぶでも一味違う気がします。

そろそろかぶの漬物でも仕込んでおこうか、と思い出し
まだ少し肌寒い風があるうちに、早々につけ始めたのは正解でした。
羅臼昆布と山口県油谷島の藻塩で、かぶを丸ごと漬物瓶へ。

かぶは繊維が柔らかいので、1時間程度ですでにしんなり。
すぐきの漬物に真似て、葉をくるくると巻きつけて重石を乗せて漬け込むと
ぐんぐんと水分が滲み出て、あっという間に浅漬けに。

たとえば夕飯にちょっと野菜を足したい、なんて時でも
刻んで塩を揉み込めば、ものの30秒。
まるでインスタントフードのような手軽さです。
これほど早く完成する漬物は他にはありません。


煮ても焼いてもすぐ火が通りますから、時間のない時には大助かり。
忙しい人ほどかぶ料理、一度試してほしいと思います。
金沢名物かぶら寿司のようにお刺身と一緒にいただいてもよく合うかぶ。
すでに宝暦7年頃には、かぶら寿司を年賀の客人に出したという記録もあるようで、
古来愛されている組み合わせなのです。

酢漬けにした薄切りのかぶで、スーパーで買ったパックのお刺身を
くるりと巻くだけでも、ちょっと気の利いた一品になりますね。
ふと小かぶのことを考えていたら、大きなかぶのことを思い出しました。
聖護院かぶらのことではなく、ロシア童話のほうです。
たしかおじいさんとおばあさんが、おおきなかぶを抜こうしても抜けず、
娘や犬、猫、最後はねずみまで登場し、ようやく抜けましたというお話。
日本のかぶと違うのかな?と調べてみると
童話に描かれたおおきなかぶは黄色!
品種はスウェーデン原種のルタバガというかぶなんだとか。

かつては、ハロウィーンのジャックオランタンをルタバガで作ったそうで
国が違えば野菜の扱いもまったく違うものなのですね。
日本でも僅かに生産されているようですので、
読者のみなさま、もし見つけたら教えてくださいね。

田中友規
料理家・漬物男子
東京都出身、京都府在住。真夏のシンガポールをこよなく愛する料理研究家でありデザイナー。保存食に魅了され、漬物専用ポットPicklestoneを自ら開発してしまった「漬物男子」で世界中のお漬物を食べ歩きながら、日々料理とのペアリングを研究中。
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