梅雨に入り、ジメジメと湿気の多い気候が続きますね。
そんな中、街を歩くとふわりと甘い香りが漂ってくることがあります。
道路脇や公園に、こんな花が咲いているのを見かけたことがあるでしょうか?

上下に大きく2つに分かれたような花びらが特徴の、スイカズラ。
常緑のつる性植物で、咲き始めは白く、翌日には黄色に変化することから金銀花(きんぎんか)という別名もあります。

花の奥には蜜があり、吸うと甘い味がするのでスイカズラ(吸葛)と名付けられました。
香りはジャスミンのような、清涼感のある優しい香り。海外では「ハニーサックル」と呼ばれ、香水や精油などで人々の生活に取り入れられています。

スイカズラは冬になっても葉っぱが枯れずに落ちないので、別名「忍冬(にんどう)」とも呼ばれます。
日本の伝統文様の「唐草」は、スイカズラのツルや葉っぱが絡みあって伸びている様子が原型になったといわれています。「忍冬文(にんどうもん)」は唐草文様の一つで、朝鮮半島から日本に伝わり、仏教美術の装飾文様として普及してきました。

奈良の法隆寺金堂にある玉虫厨子(たまむしのずし)の蓮弁には、唐草文様の一つ「忍冬唐草」の施しが見られます。また、平瓦にも忍冬唐草文様が刻まれており、普及するきっかけとなりました。
花としても伝統文様としても、私たちの目を楽しませてくれるスイカズラ。
凛と佇む花、甘い香り、上へ上へと伸びるツルや葉っぱの生命力。
スイカズラが持つその美しさと優しさ、力強さは、今の時代を生きる私たちに大切なことを教えてくれるようですね。

梅雨の鬱々とした時期の楽しみの一つとして、近場にあるスイカズラをぜひ見つけてみてください。蜜のような優しい香りは、心を鎮めておだやかさを取り戻すきっかけをくれるかもしれません。

松下恭子
うつわ屋 店主・ライター
神奈川県出身、2019年に奈良市へ移住。
好きな季節は、春。梅や桜が咲いて外を散歩するのが楽しくなることと、誕生日が3月なので、毎年春を迎えることがうれしくて待ち遠しいです。奈良県生駒市高山町で「暮らしとうつわのお店 草々」をやっています。好きなものは、うつわ集め、あんこ(特に豆大福!)です。畑で野菜を育てています。
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