こんにちは。ライターの松下恭子です。
8月になると「たまや〜」「かぎや〜」のかけ声とともに、大輪の花が夜空を彩ります。

浴衣を着て涼をとりながら、夜空を見上げる。
「花火」は、夏を象徴する風物詩として日本人に親しまれてきました。
日本における花火の歴史は古く、1543年、種子島に鉄砲が伝来し「火薬」の技術が伝わったことがはじまりとされています。当時は娯楽としてではなく、九州全土の戦場で「武器」として使われていましたが、それから発展し「花火」として鑑賞されるようになりました。

日本で最初に花火を見たのは「徳川家康」といわれています。
英国人使者によって城内で花火を見物したことをきっかけに、家康は砲術士(大砲などを扱う職人)に命じて観賞用の花火をつくらせ、全国へ広がっていきました。
当時の花火は今のように華やかではなく、竹筒から火の粉が噴き出す単純なもので、愛知県の三河地域で盛んな「手筒花火」の原型とされています。

日本で初めて花火大会が行われたのは「隅田川花火大会」でした。
江戸時代、8代将軍・徳川吉宗の時代に、疫病によって命を落とした人々への慰霊と疫病退散を祈って、隅田川で水神祭りを開催。そこで披露された大花火が隅田川川開きとなり、現在の花火大会の起源になったといわれています。
また、毎年8月2日・3日に開催されることで有名な新潟県の「長岡まつり大花火大会」も、戦争による死者への慰霊を目的としています。戦時中、長岡市は空襲で市街地は焼け野原となり、1,500人近い一般市民が命を落としました。二度と同じ過ちを犯さないように…平和への強い願いが込められた花火大会なのです。

そして今年も、今まで当たり前のように開催されてきた花火大会ができない夏を迎えています。
そんな中、昨年に引き続き今年も全国各地で「シークレット花火」が企画・開催されています。人が密集することを避けるため打ち上げ場所は非公開とし、全国で一斉に打ち上げられ、たびたび話題となっています。
夏の思い出を華やかに彩ってくれる花火。
誰にとっても特別なものとなるでしょう。

同じ場所に集まれなくても、同じ時間に同じ夜空を見上げる。
華やかさはほんの一瞬で、お腹の底から響くような音や打ち上げたあとに残る煙が余韻となって心に刻まれる。
一つひとつ打ち上げられる花火。そこに込められた思いや、過去に生きた人々の思いを重ねて、祈りながら夏の夜空を見上げたいと思います。


松下恭子
うつわ屋 店主・ライター
神奈川県出身、2019年に奈良市へ移住。
好きな季節は、春。梅や桜が咲いて外を散歩するのが楽しくなることと、誕生日が3月なので、毎年春を迎えることがうれしくて待ち遠しいです。奈良県生駒市高山町で「暮らしとうつわのお店 草々」をやっています。好きなものは、うつわ集め、あんこ(特に豆大福!)です。畑で野菜を育てています。
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