ポカポカ陽気の春もすっかり深まり、まち歩きが楽しい季節がやってきました。これから初夏にかけて季節の花が次々と咲きはじめる頃ですね。
そのなかでもひときわ趣向をこらした演出のもと、華やかに咲く花があります。それが、「藤棚」です。

藤棚とは、英語では「パーゴラ」と言い、藤の蔓をはわせるために竹や木を使ってつくられた棚のことを言います。
花房が垂れ、淡い紫色の花が咲く様子は幻想的で、まるで天然のシャワーを浴びているかのようなうつくしき世界が広がります。

最近では観光スポットとして有名な藤棚ですが、もともとは日本人の生活に寄り添うものとして親しまれてきました。蔓が伸びると緑のカーテンになり、日よけの役割も果たしてくれるので、暑くなりはじめる時期にぴったり。公園や学校、神社仏閣、一般家庭の庭など、人々が集まる場所に設置され、憩いの場として活躍しています。

以前、私が住んでいた家の近所にも藤棚がありました。
大きな公園の中央にポツリとあって、その周りにブランコなどの遊具があり、子どもたちが駆け回っていました。藤棚の下には細長いベンチがあって、おじいさんやおばあさんが散歩帰りに休憩したり、学生がおやつを食べていたり、仕事中の営業マンがひとやすみしていたり..。いつも色々な人が座ってくつろいでいました。
季節がくるとポツポツと藤が咲きはじめます。観光地ほどの華やかさはないものの、まるで行き交う人を見守るようなあたたかな藤棚で、公園の象徴となっていました。

私の友人は小学生の頃、校庭に藤棚があったといいます。
当時はまだ幼かったから「花を愛でる」という気持ちはなかったようですが、藤棚があったことと、よく友だちとそこに集まっていたことははっきり覚えていると言います。藤の花が咲き終わると巨大なインゲン豆のような種がぶらさがるので、それを見て楽しんでいたそうです。

そんな藤の花言葉は「優しさ」「歓迎」、そして「決して離れない」です。
ずっと同じ場所で、毎年同じ時期に咲き続ける藤棚。
きっと色々な人の人生の節目を、あたたかな気持ちで見守ってきたのだろうと、花言葉を知って感慨深い気持ちが増しました。

さて、みなさんにはどんな思い出があるでしょうか?
今年も藤棚の下でくつろぎながら、初夏の木漏れ日を楽しんでみてください。

松下恭子
うつわ屋 店主・ライター
神奈川県出身、2019年に奈良市へ移住。
好きな季節は、春。梅や桜が咲いて外を散歩するのが楽しくなることと、誕生日が3月なので、毎年春を迎えることがうれしくて待ち遠しいです。奈良県生駒市高山町で「暮らしとうつわのお店 草々」をやっています。好きなものは、うつわ集め、あんこ(特に豆大福!)です。畑で野菜を育てています。
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