夏に向けて暑さが少しずつ増してくる頃。
太陽の光に葉っぱが透けてキラキラ輝く、新緑を楽しめる季節がやってきました。
その中でもひときわ大きな葉っぱで存在感を見せてくれるのが「カシワ(柏)」です。
カシワは北海道から九州まで日本各地の山野に自生するブナ科の落葉中高木。
葉っぱは7〜15㎝ほどの楕円形で、波状になっているのが特徴です。枝先に集まり、陰をつくる傾向があるため、夏になると生き物たちが集まってくると言われています。

さて、カシワと言えば「柏餅」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
柏餅は5月5日の端午の節句に食べられるもので、ほのかに香るカシワの葉っぱにお餅が包まれている伝統的な和菓子です。

もともとカシワは日本の食卓と深い関係があります。
古くは縄文時代、カシワは土器の底に敷いてご飯を蒸すなど調理するための道具として活躍してきたと言われています。
名前の由来は、かつては煮たり蒸したりすることを「炊ぐ(かしぐ)」と言ったことから、「炊葉(カシキハ)」が転じてカシワになったという説もあります。
また、調理道具だけではなく、カシワの葉っぱの上に食材を盛る「うつわ」としても使われてきたそうです。

カシワは落葉樹でありながら、新芽が出るまで古い葉っぱが落ちずに絶え間なく残るため、「子孫の繁栄につながる縁起のよいもの」として親しまれてきました。
そのため、端午の節句でも「柏餅」が用いられるようになったと言われています。
今回、私はカシワのことを書きながら、幼い頃によくやっていた「おままごと」を思い出しました。石や砂を拾いあつめて、大きな葉っぱをうつわに見立てて、家に招いた想定でお友だちに料理をふるまう。葉っぱは緑色だけではなく、黄色や茶色などの枯葉も混ぜて彩りよくしてみたり、葉っぱに指で穴をあけて顔をつくって楽しんだりした記憶もあります。当時はカシワの葉っぱに限らず色々なものを使っていたと思いますが、今振り返ると遠い昔の人たちと同じ発想でいたのだなぁとなんだか不思議な気持ちになりました。

葉っぱとしての役割を超えて、私たちの生活に寄り添ってきたカシワ。みなさんにはどんな思い出がありますか?
自然の恩恵に「ありがとう」の気持ちを込めながら、これからよりいっそうカシワの木を愛で、柏餅を楽しみたいなと思います。
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