こんにちは。和菓子コーディネーターのせせなおこです。
”暖かい”からだんだんと”暑い”と感じるようになってきました。柏餅の季節が終わると季節は一気に夏へと向かいます。そして、和菓子屋さんでは“若鮎”が並び始めます。鮎漁が解禁される6月を目安に販売が始まる、夏の訪れを感じるお菓子の一つです。

若鮎というのは薄いカステラ生地に求肥を挟み、その名の通り魚の鮎をかたどったお菓子です。
若鮎といえば大切な思い出があります。鮎のお菓子で有名な岐阜を訪れた時のこと。駅から歩いて数分の立派な歴史あるお店にはいると、お店では鮎の実演が行われていました。鮎が生まれるところをみているのがあまりにも楽しくて、ずっと眺めていました。しかし、その翌年お店は閉店してしまいました。

たくさんの鮎を食べた中でもダントツでお気に入りのお店だったのでもちろんとても寂しかったです。でも、閉店する前に食べられたこと、そして、鮎をつくる美しい職人技をみられたことは私にとってとても大事な思い出になり、鮎菓子を見るたびに思い出します。
さて、そんな鮎菓子ですが、若鮎、鮎菓子、稚鮎、登り鮎、かつら鮎などたくさんの名前があります。京都の鮎菓子は鴨川・加茂川・桂川に由来し、それぞれのお店の近くの川の名前にちなんでいることが多いようです。

鵜を使って鮎などを獲る伝統的な漁法「鵜飼(うかい)」が有名な岐阜、長良川。岐阜では長良川の鮎をモチーフに明治41年に初めて鮎のお菓子が作られました。織田信長や徳川家康にも愛された鵜飼の歴史は長く、なんと1300年以上続いています。鮎菓子を岐阜銘菓にしよう、と多くの鮎菓子が作られるようになり、今ではたくさんのお店で販売されています。ちなみに「ひあゆ丸」という鮎菓子をモチーフにしたゆるキャラがとてもかわいいです。

以前岐阜に行った際、和菓子屋さんをめぐると、サイズや味などさまざまな種類の個性豊かな鮎菓子が販売されていてとても驚いたのを覚えています。多くのお店では鮎のお腹に入っているのは求肥。しかし、あんこが入っていたり、羊羹が入っていたり、はたまたブルーベリーやクランベリーなどフルーツを使ったものまでとにかく鮎の種類が豊富でした。
鮎の顔は焼き印で押されている店が多く、少しずつ異なる表情を楽しめるのも鮎菓子の魅力。ぜひ和菓子屋さんで元気に泳ぐ鮎を眺めてみてください。


せせなおこ
和菓子女子
福岡県出身。あんこが大好きな和菓子女子。和菓子を好きになったきっかけはおばあちゃんとつくったおはぎ。ぽかぽか暖かい春が好きです。おいしい和菓子を求めて全国を旅しています。
暦生活のお店
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書籍「日本を味わう 366日の旬のもの図鑑」
2,860円(税260円) -
京の音「聴色(ゆるしいろ)」 / 染料インク
2,200円(税200円) -
京の音「青碧(せいへき)」 / 染料インク
2,200円(税200円) -
書籍「手づくり二十四節気」
1,760円(税160円) -
Fonte ガラスペン
1,155円(税105円) -
Fonte 筆ペン
1,155円(税105円) -
注染手ぬぐい「貝合わせ雛」 / かまわぬ
1,320円(税120円) -
注染手ぬぐい「つるし雛 生成」 / かまわぬ
1,320円(税120円) -
注染手ぬぐい「板チョコ」 / かまわぬ
1,100円(税100円) -
注染手ぬぐい「コーヒー豆 チョコビーンズ」 / かまわぬ
1,320円(税120円) -
注染手ぬぐい「弁慶縞 チョコレート」 / かまわぬ
1,650円(税150円) -
玄米リラックスアイピロー
2,530円(税230円) -
玄米リラックスねこピロー
2,530円(税230円) -
注染手ぬぐい「snow dome」 / にじゆら
1,210円(税110円) -
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2,420円(税220円)