こんにちは。料理人の川口屋薫です。
今日のお話は、春から夏にかけて旬の野菜「絹さや」です。「さやえんどう」とも呼ばれる、若採りえんどう豆です。

同じさやえんどうには、大さやの「オランダ豆」、肉厚の「スナップえんどう」や「砂糖えんどう」などがあります。絹さやが成長すると、鞘(さや)は硬くなり、膨らんだやわらかい実を食べる「グリーンピース(実えんどう)」になります。


絹さやを食べる文化が作られたのは、13世紀頃のフランスだと言われています。フランス語では「mangetout」(意味はmange食べるtout全部)で、さやごと食べることができる特徴を、表現したような名前です。
では、絹さやの名前の由来はというと、さやとさやの当たった音と、絹生地の擦れる音が似ているからだそうです。さらに調べてみるとそれだけではなく、両者には共通点があることがわかりました。
絹さやの栽培は江戸時代頃から始まったとされていますが、明治頃に海外から優れた品種が持ち込まれたのを境に、栽培が盛んになったそうです。偶然にも、その頃は日本の絹産業が栄えた時代でもありました。大正から昭和初期の間、輸出量が世界の6割を占めていた時もあったそうです。

さらに、絹さやの旬は5月ですが、絹糸をつくる蚕が成長する時期とも重なっています。七十二候「蚕起桑食(かいこおきてくわをはむ)」でもある通り、5月は蚕の食欲が旺盛になり、桑の葉をたくさん食べる時期にあたります。

こうして歴史をたどってみると絹さやと絹は、歩みをともにしながら発展してきたことがわかりますし、不思議と絹さやの優しい甘い味さえも、繊細な絹に似ている感じがしてきました。
さて、絹さやのことを考えていたら味を満喫したいなと思い、料理が次々浮かんできました。卵とじ、塩茹で、炒め物、天ぷら、汁物…甘味に加えてシャキシャキ感が、いいアクセントになります。そして、お正月のお煮しめや雛祭りのちらし寿司の飾りです。晴れやかなお祝いのお料理をパッと華やかに演出してくれます。

絹さやの飾り切り「矢羽根切り」でワンランク上の演出を目指しませんか?とても簡単で、茹でた絹さやの両端をV字に切り落とすだけ。1枚につき約2秒で出来ます。

矢の上部についている羽根に見えることから、矢羽根は「的を射る」「真っ直ぐ前に飛ぶ」縁起の良いものとされています。試験、大事な仕事を控えた夕食の煮物やパスタの飾り、朝食のサラダ、味噌汁、お弁当に..。絹さやの矢羽根を入れれば、応援メッセージが作れそうです。


カロテン、ビタミンCなどが含まれている栄養豊富な緑黄色野菜、絹さや。
料理を楽しみながら、初夏を元気にお過ごしください。

川口屋薫
料理人
Le btagev(ルブタジベ)代表。大阪出身。料理人。珍しいやさいの定期便をしています。風薫る季節5月が過ごしやすくて一番好きです。イタリア在住中、ヨーロッパ野菜に恋し、日本の野菜が恋しくなったのをきっかけに野菜に関わる仕事をしています。 趣味 囲碁
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