おこし

旬のもの 2022.06.12

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こんにちは。和菓子コーディネーターのせせなおこです。
大学生の時、東京から九州へ帰るおみやげの定番は“雷おこし”でした。新幹線に乗る直前に買える、日持ちがする、お手頃価格で量が多い、そして何よりおいしい!というわけで、ずいぶんとお世話になったものです。

写真提供:せせなおこ

そんなわけで“おこし”といえば私は雷おこし!というイメージだったのですが、おこしを調べてみると実は全国に有名おこしがあることを知りました。普段はあまり主役になりにくいおこしですが、今回はおこしにスポットライトを当ててみましょう!

写真提供:せせなおこ

おこしの歴史は実はとっても古く、誕生したのはなんと1000年以上も前のこと。もともとは中国で余ったお米を使う方法として生まれ、日持ちがするので、お供物として使われていました。

そして、江戸時代後半、全国におこし屋さんが誕生します。まずひとつ目が東京・雷おこし。浅草浅草寺の境内で売られていたことから名前がつき、現在では雷門の脇で売られています。ほおずき市では 「“ほおずき”と“雷おこし”は雷除けのおまじない」などというキャッチフレーズで売られ、浅草寺の名物となりました。

大阪・あみだ池大黒の創業は1805年。天下の台所、大阪。西国諸大名の蔵屋敷が建ち並ぶ長堀川畔あみだ池に店を開き、船底にたまる多量の余剰米を安く買い取って原料とし、おこし作りが始まりました。

あまり知られてはいませんが、長崎にも有名なおこしがあります。地名の名前がついた「諫早(いさはや)おこし」も誕生したのは江戸時代。諫早おこしはおこしに黒砂糖が混ざっているのが特徴です。諫早は米どころだったこと、長崎が近いことからお砂糖も使いやすかったため、このようなおこしが生まれたと考えられています。

写真提供:せせなおこ

そんな歴史の長いおこしですが、時代に合わせて進化しています。チョコレートがかかっていたり、チーズケーキやドライフルーツ味のおこしもあるんです!ただ新しいものを作るのではなく、今までの伝統があったからこそ生まれた新しいおこしです。

どの地域でも共通して「身を興し、名を興し、家興す」と縁起のよいお菓子として用いられてきました。昔の人の遊び心を感じて楽しい気分になります!さぁ、今日のおやつはおこしで決まり。おいしくてついつい止まらなくなってしまうんだよな…食べすぎないように気をつけよーっと!

写真提供:せせなおこ
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せせなおこ

和菓子コーディネーター
福岡県出身。あんこが大好きな和菓子女子。和菓子を好きになったきっかけはおばあちゃんとつくったおはぎ。ぽかぽか暖かい春が好きです。おいしい和菓子を求めて全国を旅しています。

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せせ日和

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