こんにちは。料理人の川口屋薫です。
今日のお話は、夏らしいビタミンカラーの「パプリカ」です。
パプリカは、ナス科トウガラシ属に分類されるカラフルな野菜です。ピーマンと比べて苦味は少なめで甘みが強く、肉厚で約100g以上の大型サイズが多く出回っています。
さらに、未熟の実を食べるピーマンに対して、パプリカは完熟した実を食べるので熟す期間が必要です。そのため、ピーマンより少し遅めの夏から初秋にかけてが、旬の時期になります。
パプリカの原産国は南米で、大航海時代にコロンブスがアメリカ大陸からヨーロッパへ持ち帰った野菜と言われています。
当時、様々な変種の唐辛子を発見したコロンブスが、金より高く売れるほど高値だった胡椒と間違えてスペインに持ち帰りました。ペッパー(pepper)と付けられたその野菜は、ヨーロッパ各地に広がり、ハンガリーで品種改良されて出来た甘い味の品種がパプリカ(ハンガリー語でもあり、意味はピーマンや唐辛子です)だと言われています。
そして、のちにハンガリー人研究者がパプリカからビタミンCを発見。ノーベル賞を受賞し、今では大きな産業となりました。
ハンガリー料理に、パプリカの味が効いたスープ「グヤーシュ」があります。
レシピをみると、材料はカレーの材料にパプリカ、トマトが入り、パプリカパウダーの風味を効かせたスープです。
グヤーシュは元々、牛飼いがさっと食べれるようにと大鍋で作る煮込み料理だったそうで、日本でもカレー感覚で、アウトドアや家で楽しめそうです。
実に、パプリカはハンガリーとのゆかりが深い野菜ですね。
日本には1993年頃に、オランダから輸入されたのを機に、彩り野菜として家庭料理からレストラン料理まで、様々なジャンルに使われています。
私はパプリカの肉厚で甘い所が好きで、生で食べるときは、スティック、浅漬け、ピクルスにして新鮮なみずみずしさを楽しみます。
加熱するときは、パプリカを真っ黒になるまで焼き皮を剥いて、塩、オリーブオイル、バルサミコ酢をつけます。パプリカの水分が抜けたことにより凝縮した甘さと焦げの風味が混じり合う味を堪能できる料理です。夏に、暑い暑いと汗をかいた後に待っている味に舌鼓を打ちます。
完熟トマトが手に入ると「ペペロナータ」というイタリア料理で、パプリカのトマト煮を作ります。玉ねぎとにんにくとパプリカを炒めて、潰したトマトを入れて、塩胡椒、オレガノを入れて煮込むだけ。冷たくしてパンにのせていただきます。
今回はイタリアの冷たい料理「Insalata di riso インサラータ(サラダ) ディ(〜の) リーゾ(米)」を簡単にアレンジしたライスサラダをご紹介します。
良かったら作ってみてください!
パプリカと夏野菜のライスサラダ
材料(2人前)
•白ごはん お茶碗一杯分
A(合わせ調味料)
酢 大さじ1
レモンの搾り汁 小さじ2
塩 小さじ1
砂糖 小さじ1
オリーブオイル 大さじ1
具(パプリカ+お好きな具を数種類)
★マークが付いているのが、今回入っている材料です。
一つの具の分量は約20gから30gです。
★赤パプリカ、黄パプリカ、紫玉ねぎ、茹でとうもろこし、胡瓜、ズッキーニ、グリーンオリーブ、ソーセージ、トマト、6Pチーズ
•ツナ缶、ハム、茹で鶏ムネ肉、茹でいんげん豆、茹でオクラ、茹で枝豆、ゆで卵、セロリ、イタリアンパセリ、モッツァレラチーズ、黒オリーブなど
作り方
①ボールに冷ました白ごはんとAの合わせ調味料を入れて、混ぜ合わせます。
②小さめの角切りにした具を全て入れて、混ぜ合わせたら完成です。
〈ポイント〉
味見をして、足りないようでしたら塩で味を整えてください。
召し上がる時に、お好みでレモンの搾り汁を少しかけてください。
冷蔵庫で保存すると翌日も召し上がっていただけます。
川口屋薫
料理人
Le btagev(ルブタジベ)代表。大阪出身。料理人。珍しいやさいの定期便をしています。風薫る季節5月が過ごしやすくて一番好きです。イタリア在住中、ヨーロッパ野菜に恋し、日本の野菜が恋しくなったのをきっかけに野菜に関わる仕事をしています。 趣味 囲碁
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