こんにちは、写真家の仁科勝介です。
雨には雨の役割があるという古くからの気持ちは持っていて、先人がつくった数え切れない雨の言葉を見ていると、日本語の繊細さに心がほぐされていって、それでも、一人で傘をさして歩くときには、体が濡れていくにつれて、少し憂鬱な気分になって。と、雨に対する印象は、ひと言ではまるで表し切れないといいますか、にわか雨のように、ころころといろんな感情に絶えず、変化しつづけるのではないでしょうか。

そして、思いました。そういえば、ぼくは日本の市町村を旅していたとき、たくさんの雨を浴びたな、と。それに、雨の日だった場所のことは、案外よく覚えているな、と。そこで、日本各地、雨の写真をまとめてみました。言葉とは違って、写真で雨そのものを見てみたら、どうだろう? 日々、暦や季節の素敵なお話を知ることのできる暦生活さんの場ですが、1日ぐらいは、いかがでしょう。日本全国、雨の旅へ。

南から北上していきます。沖縄県伊江島のタッチューという城山に登ったときです。畑と真っ白な世界に分かれていますが、白の向こうには本来、青々とした海が広がっています。雨の日はぽつんと浮島のようでした。

高知県三原村で出会った雨です。カーブミラーと田んぼの景色ですが、日本らしいといいますか、全国どこにでもあるといいますか、でも、その姿がすごく落ち着いたのでした。今も好きな景色です。

東京都御蔵島です。冒頭の写真は船の出航前で、この写真は出港後です。朝の薄明かりの中、激しい雨と険しい山並みの姿は、水墨画そのものでした。

新潟県阿賀町です。狐の嫁入り行列が有名な土地で、空は明るいのに、ざあざあと降り注いだ雨は、ドキッとさせられるものがありました。

最後は北海道旭川市です。土砂降りの雨を浴びたあと、振り返ると、今まで見た中でも群を抜いて、大きな虹が掛かっていました。雨に濡れた嫌な感情は一切消えてしまって、「雨もいいなあ」とツンデレな気持ちで、写真を撮るのでした。
と、具体的な雨の言葉や季節を語らずに、写真ばかりを並べてしまいました。わたしたちが生活する上で、雨はとても大きな刺激のひとつです。わたしたちの心の中に、雨は必ず存在します。雨に対してどのような感情を持とうと、すでに、たくさんの雨に触れて育ってきたし、これからもきっと、雨と出会い続ける。そのことをじっと見つめていくと、ぼくは雨に従って生きたいと思うのです。
写真:仁科勝介

仁科勝介
写真家
1996年岡山県生まれ。広島大学経済学部卒。2018年3月に市町村一周の旅を始め、2020年1月に全1741の市町村巡りを達成。2020年の8月には旅の記録をまとめた本、「ふるさとの手帖」(KADOKAWA)を出版。好きな季節は絞りきれませんが、特に好きな日は、立春です。
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