こんにちは。写真家の仁科勝介です。
スポーツの秋が近づいてきましたが、「運動会といえば秋」という印象は、やや薄れてきたでしょうか。運動会が春に行われることも、今ではまったく違和感がありません。
また、運動会という言葉の響きを聞いて、ほとばしる熱い瞬間を思い出す方もいれば、ほろ苦い思い出として、振り返る方もいるでしょう。
ぼくの小学生時代は、足の速い人こそ、群を抜いてモテていました。速さこそが人生なり、と思っていた時期もあったぐらいです。中学生になると、自分の走力が落ちてきて、陸上部の人たちが反則だと思うぐらいに速く見えました。高校生時代は、自分の走力をサッと見限ってしまって、応援側にまわっていました。

とにかく、運動会という言葉を知らない人はいないですし、日本らしいイメージが湧いてくるのも事実です。ただ、日本の運動会の起源は、イギリスからやって来たとされています。それも明治時代ですから、現在に至るまで、およそ150年ほどです。そう思うと、馴染み深い行事でありながら、意外と最近生まれた文化だったのだと思わされます。
新しい文化であれば、時代を経て、運動会が変化していくことも、必然ではないでしょうか。集団行動についても、堅苦しいと捉える考え方は、時代背景によって変化していくでしょうし、組体操や騎馬戦に対する印象も、移り変わっています。それは、先人が悪いのではなくて、わたしたちが今の時代を生きている、ということだと思います。

ただ、綱引きや玉入れのプログラムは、運動会ならではの面白い競技ですし、二人三脚も、ムカデ競争も、障害物競走も、実に上手くできていますよね。個人的には、パン食い競争を考案した人こそ、天才だと思っています。
ですから、変化していくことも必然ですが、子どものころの運動会は、夜も眠れないワクワクを覚えたり、悔しさや喜びを味わったり、体験として体に染み込むものがあります。だから、時代に合った、運動会が形としてあり続けるといいなあと思います。
カレンダーの中に、運動会の日があるかないかは、変わらないように思えて、何かをもたらすことがあるはずです。たとえば、ぼくは運動会で大きなカメラを担ぐ、知らないお父さんたちの姿に憧れて、それがきっかけでゆくゆくはカメラを買い、今に至るわけですから。
写真:仁科勝介

仁科勝介
写真家
1996年岡山県生まれ。広島大学経済学部卒。2018年3月に市町村一周の旅を始め、2020年1月に全1741の市町村巡りを達成。2020年の8月には旅の記録をまとめた本、「ふるさとの手帖」(KADOKAWA)を出版。好きな季節は絞りきれませんが、特に好きな日は、立春です。
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