なめこ

旬のもの 2022.10.02

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こんにちは。料理人の川口屋薫です。
今日のお話は「なめこ」です。 秋の代表的な味覚のキノコで、ぬるっ、つるっ、ぷりっとした食感が魅力です。

なめこの色は、暦生活「にっぽんのいろ」10月で紹介している黄朽葉(きくちば)のような黄色をしているので、なめこおろしやなめこの味噌汁を食卓に並べると、秋を演出してくれる料理になるかと思います。

古名は「ツツエ」と言い、今の名前の由来は、ぬめりを帯びたキノコの総称で、東北地方の方言の「なめらっこ」が転訛した言葉だと言われています。
ぬめりを帯び、つるっと滑ることから漢字では「滑子」と書きます。

なめこは、乾燥と寒さがとても苦手なので、ぬるぬるした粘液で覆うことで、水分の保湿性を高めることと、虫から食べられないように防ぐ役割もあります。
なお、この粘液は、タンパク質やペクチンを含む食物繊維が含まれていて、人間の腸内環境を改善する働きを持っています。

天然なめこは、10月から11月の晩秋にかけて、ブナ、ナラなどの広葉樹の倒木や切り株に群生します。ちょうど旬を迎えた頃ですので、なめこ狩りを体験できるツアーで出会えそうですね。

一年中スーパーなどのお店に並んでいる流通なめこは、99%菌床栽培で、空調機器で管理された施設で育てられています。菌床栽培は昭和30年代後半から、椎茸、ひらたけの栽培から始まりました。昭和38年頃に福島県で、ひらたけの栽培の際に間違ってなめこ種菌を植えてしまったところ、非常に良好な発育になったそうです。これを機に、なめこの菌床栽培が広まっていきました。

菌床栽培のなめこの下ごしらえは、軽く汚れを取るくらいにして、栄養分や味を逃さないようにします。

小ぶりのなめこは、水分を多く含んでいることから酸味が出ていることがあります。軽く水洗いしてから、調理します。
大ぶりの株とり(足つき)なめこは、石づきを切り、軽く水洗い、または熱湯をまわしかけて、汚れを落としてから、調理します。
下ごしらえした後、和え物などに使う場合にはさっと茹でます。味噌汁などじゅうぶんに加熱する料理に使う場合は、そのままお使いください。

さて、今回のレシピは、なめこバター醤油焼きと揚げ焼きをご紹介します。良かったら作ってみてください!

なめこバター醤油焼きと揚げ焼き

材料(2人前)

•株なめこ 1パック
•バター 10gと5g
•醤油 小さじ2〜大さじ1
•大葉 2枚
•すりおろしたチーズ 大さじ1
•天ぷらの衣 適量

作り方

〜なめこバター醤油〜
①フライパンにバターを入れ、軽く溶けるまで熱します。
下ごしらえした株なめこを入れて、中火弱で約3分炒めます。最後に少しバターを加えると風味が増します。
②皿に盛り付けて、みじん切りした大葉とカリカリチーズをのせたら完成です。

〜カリカリチーズ〜
①テフロン加工のフライパンの上に、すりおろしたチーズを入れます。
②弱火にして、焦がさないように片面がきつね色の焼き色がついたら、チーズをお皿にのせて冷ました後、適当な大きさに割ってください。

〜なめこの揚げ焼き〜
①に天ぷらの衣をつけて、フライパンに油大さじ2を入れて熱した後、カリッと揚げ焼きにしたら完成です。

写真:川口屋薫

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川口屋薫

料理人
Le btagev(ルブタジベ)代表。大阪出身。料理人。珍しいやさいの定期便をしています。風薫る季節5月が過ごしやすくて一番好きです。イタリア在住中、ヨーロッパ野菜に恋し、日本の野菜が恋しくなったのをきっかけに野菜に関わる仕事をしています。 趣味 囲碁

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