こんにちは。写真家の仁科勝介です。
みなさんのお住まいの地域に、秋祭りはありますか。9月から11月にかけて、神輿を担ぎ山車を引き、掛け声や囃子とともにまちを練り歩く。半袖でも長袖でも、爽やかな汗をかきながら。
春は、お米をはじめとする作物の五穀豊穣を祈るお祭りが多いと思います。一方で、秋祭りは収穫を無事に終えた感謝や、地域の鎮守への感謝を表します。地域の方々のコミュニケーションの場でもありますし、どこで暮らしていても、作物を大切にいただく心は忘れてはならないと思うばかりです。
個人的な旅の感覚なので、スルスルと横に流してもらえたらと思いますが、秋は岸和田だんじり祭といった有名なお祭りもある中でも、夏に比べると、ややこぢんまりとしたお祭りが多いように感じます。浴衣姿で高揚感に包まれる夏祭りも良いですが、作物の収穫や鎮守に感謝する秋の季節は、背伸びせず、地域の方々にとってのお祭りを完遂させることが何よりで、目線が外ではなく、地域の内側にある印象で、ぼくはそれが好きなのです。

市町村一周の旅をしていたときは、いくつかの秋祭りに出会いました。その中には大きなまちだけではなく、町内会や地域の神社を中心にした、小さな秋祭りも多かったです。すなわち、大小様々な秋祭りをすべて訪れることはできないなと思いました。同じ日に、何十という全国の地域で秋祭りが行われているのだろうなあと。
日本には1700を越える市町村がありますから、すべての秋祭りを知ることよりも、地域の方々にとっての秋祭りが今日もどこかで開かれている、と心の中で感じることの方が、大切に思われて。際たる例は、11月に小笠原諸島の父島に訪れた際に、神社の秋祭りと出会ったことです。東京から船で24時間離れた場所でも、秋祭りがあるのだなあ、って。

全国の地域の様々な場所で、秋祭りが開かれていること。お祭りを通して、あたりまえに食べている作物に感謝すること。都市部ほど、地域のつながりが煩わしいような現代、もちろん秋祭りがなくても支障もなく生活することができます。ただ、わたしたちが食べている作物が、農家さんの手で育てられ、秋祭りを経て手元に届いているかもしれない、と感じることが大切ではないでしょうか。お腹いっぱいにご飯を食べられることは、いちばんありがたいことです。今日も日本のどこかで、神輿や山車が練り歩いていることを心に思い浮かべます。

写真:仁科勝介

仁科勝介
写真家
1996年岡山県生まれ。広島大学経済学部卒。2018年3月に市町村一周の旅を始め、2020年1月に全1741の市町村巡りを達成。2020年の8月には旅の記録をまとめた本、「ふるさとの手帖」(KADOKAWA)を出版。好きな季節は絞りきれませんが、特に好きな日は、立春です。
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