こんにちは、ライターの高根恭子です。
みなさんは秋を象徴する、こんなことわざをご存知でしょうか?
天高く馬肥ゆる秋(てんたかく うまこゆるあき)
時候の挨拶にもなっているこの言葉。
「空が澄み渡って晴れ、馬の食欲が増し、肥えてたくましくなる秋」という意味です。

「天高く」とは、秋の空が高いことをあらわしています。
夏に見られる入道雲は空の低いところに位置しますが、秋に見られるイワシ雲やウロコ雲は巻積雲とよばれ、空の高いところに位置します。さらに、秋は空気が澄んで空の透明度が高くなることから、秋の空は夏に比べて高く感じると言われています。
続く「馬肥ゆる秋」は、秋になると過ごしやすい気温と湿度が続いて、食欲が増すということ。これは、人間でいう「食欲の秋」そのものですね。

秋になると、なにかと活動的になる人も多いことだろうと思います。
外へ出ると、葉っぱが色づきはじめたり、空気が澄んで視界がクリアになったりするので、秋の景色が広がり散歩するのが楽しくなります。いっぽう家の中では、衣替えや大掃除の準備など、夏にはできなかったことを一気にやりたくなるのでなにかと大忙し。意外とカロリーを消費するのでお腹が空きます。
そんな状況に追い討ちをかけるように、地元のスーパーには秋の実りがずらりと並びます。
さつまいもやくり、芋、きのこ、さんま、鮭など「今が旬だぞ」と言わんばかりに華々しく並ぶので、食欲をおさえるなんていうことはとうてい無理。毎年この季節になると、「食べすぎたなぁ」が口ぐせになっているような気がします。

ですので、「天高く馬肥ゆる秋」ということわざは、「天高く人肥ゆる秋」と言い換えることができるかもしれませんね。
ただ、古代中国ではこのことわざの意味は全然違うものだったと言います。
漢の歴史書に記された「天高く馬肥ゆる秋」によると、「夏に草を食べて強くなった馬に乗って、北方騎馬民族の匈奴(きょうど)=異民族が攻めてくるぞ」という意味で使われていたそうです。つまり、秋になると自分たちが一生懸命育てた農作物を匈奴が奪いにくるので注意しろ、と。その後、匈奴は滅亡し、略奪の心配がなくなり、ことわざの意味も現代に合わせて変わりましたが、本来は警告の意味が強かったということがわかりますね。

そう考えると、「天高く馬肥ゆる秋」は一見のどかなイメージのことわざですが、実は「馬も人も肥ゆることには注意せよ」と言われているのかもしれません。いやぁ、耳が痛い話でございます。
食欲の秋といえども、腹八分。食べ過ぎには注意しながら、秋を存分に楽しみたいと思います。

高根恭子
うつわ屋 店主・ライター
神奈川県出身、2019年に奈良市へ移住。
好きな季節は、春。梅や桜が咲いて外を散歩するのが楽しくなることと、誕生日が3月なので、毎年春を迎えることがうれしくて待ち遠しいです。奈良県生駒市高山町で「暮らしとうつわのお店 草々」をやっています。好きなものは、うつわ集め、あんこ(特に豆大福!)です。畑で野菜を育てています。
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