チンゲンサイ

旬のもの 2022.11.10

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こんにちは。料理人の川口屋薫です。

木枯らしが吹き、日に日に寒くなってきました。そんな季節には、湯気が漂う料理で芯から体を温めたくなります。
例えば、白菜や水菜の鍋物、ふろふき大根や蕪の煮物、ロールキャベツやクリームシチューにブロッコリーといったところでしょうか。
今日のお話は、これらと同じアブラナ科の野菜でもある「チンゲンサイ」です。

チンゲンサイが日本に伝わったのは、1972年の日中国交正常化以降で、和名では体菜(たいさい)と言いますが、当時は葉柄の色(茎や軸のふっくらとした部分)に、緑色と白色があったことから、「青軸パクチョイ」や「チンゲンツァイ」と呼び名がいくつかありました。そのため表記を統一することになり、「チンゲンサイ」に決まりました。漢字の「青梗菜」の意味は、梗(茎)が緑色をしていることからきています。また、白色は「パクチョイ」や「広東パクチョイ」と呼ばれています。

チンゲンサイは、加熱してもシャキシャキ感があり、あまりクセのない食べやすい味です。牛肉とネギのオイスターソース炒めの周りに、さっと茹でた色鮮やかなチンゲンサイを並べるだけで立派な一皿になりますし、魚介や肉、厚揚げなどと一緒に炒めたらボリュームも栄養も満点なメイン料理になります。
醤油、オイスターソース、味噌…どの調味料と絡めても良く、寒い日にはあんかけやミルク煮でポッカポカ。小松菜やホンレンソウを買い忘れても、おひたしに使えます。
なんてバリエーション豊かな野菜なのでしょう!一年中スーパーに並ぶレギュラー野菜になったのも頷けます。

さて、野菜は健康に過ごすための大切な栄養を多く含んでいるので、バランスよくいただきたいもの。なかでもチンゲンサイは緑黄色野菜で、風邪予防になるビタミンC、目、皮膚、粘膜を健康に保つカロテン、貧血予防になる鉄分、強い骨をつくるカルシウムなどのミネラルなど豊富な栄養が摂れます。さらに、チンゲンサイは茹でたり、炒めたり、加熱しても、含まれている栄養量はほぼ変わりません。

時間がなくて、即席ラーメンで済ます時も、チンゲンサイをザクッザクッと切って麺と一緒に茹でて、卵を落とせば、それなりの栄養を摂ることができますね。
スープが染み込んだチンゲンサイの味を想像していたら、今日のレシピが浮かんできました。チンゲンサイとフライドオニオンのさっと煮です。フライパン1つで、パパッとできます。良かったら作ってみてください!

チンゲンサイとフライドオニオンのさっと煮

写真提供:川口屋薫

材料(2人前)

•チンゲンサイ 1p(小ぶり3株)
•市販のフライドオニオン 10g
•オリーブオイル 大さじ1
•塩 少々
•胡椒 少々
•水 1カップ
•水溶き片栗粉 適量

写真提供:川口屋薫

作り方

①水で洗ったチンゲンサイを縦半分に切ります(大きなサイズは¼に切り、軸に切れ目を入れてください)
②フライパンにオリーブオイル大さじ1を入れて軽く温めてから、チンゲンサイの断面を下にして1分焼き、裏返しにして、1分焼きます。(火加減は中火)
③②にフライドオニオン、塩、胡椒、水を入れて約5分煮ます。
④最後に水溶き片栗粉を入れて、トロミがついたら完成です。

ポイント
盛り付けた後にフライドオニオンを少しパラパラとかけると、クリスピーな食感が、楽しいアクセントになります。 お好みでベーコンを入れてもいいです。

写真提供:川口屋薫
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川口屋薫

料理人
Le btagev(ルブタジベ)代表。大阪出身。料理人。珍しいやさいの定期便をしています。風薫る季節5月が過ごしやすくて一番好きです。イタリア在住中、ヨーロッパ野菜に恋し、日本の野菜が恋しくなったのをきっかけに野菜に関わる仕事をしています。 趣味 囲碁

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